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鍼灸院での診断に尤度比を使う具体例

鍼灸院での診断に尤度比を使う具体例

前回までに、診断の精度を理解するための4つの概念のうち、
検査前確率、感度、特異度の3つの復習をしました。

鍼灸院で検査前診断の精度を理解するために必要なこと
鍼灸治療で診断に関するEBMを実践するために
鍼灸院で感度・特異度を使って鑑別診断をする方法

この3種の考え方だけでも、正確に診断をすることはできますが、
今回、復習する尤度比の概念を理解し、利用すれば、
精度をさらに高くすることができます。

 

尤度比(Likelihood Ratios:LR)とは?

教科書には、以下のように書かれています。

・感度、特異度から計算され、数字で表すことのできる指標
・感度、特異度と同様に、身体徴候の識別力を示すもの

最も大切なことは、簡単かつ迅速に
検査後確率の評価に応用できる点といえます。

すなわち、診断するに当たり、
疾患Aの可能性が何%あるかが、分かるということです。

診断結果の妥当性を評価できるともいえます。

 

尤度比と聞きますと、何か難しいような気がしますが、
実際には、毎日の診療で尤度比を使っていないということはありません。

意識して使っているか、意識しないで使っているかの違いでしかなく、
尤度比は身近なものといえます。

どのような手順で尤度比を使っているかといいますと。
医療面接においては、まず、
患者さんの主訴から、疾患Aを思い浮かべたとします。

その疾患Aの可能性を、患者さんの病歴や身体所見が、
どれほど確実なものにすることができるかという、見積もりが、尤度比になります。

 

鍼灸院で尤度比のを使う具体例

【例】頭痛を主訴とする40歳の女性・予診情報に肩凝り

頭痛と肩凝りと聞いた時点で、どのような疾患をどれぐらいの確率で考えるか?

緊張性頭痛 80%
片頭痛   10%
脳腫瘍    5%
その他    5%

と見積る

このそれぞれ見積もった確率が、検査前確率(病歴前確率)となります。

 

検査前確率など言う用語がありますので、難しく聞こえるかもしれませんが、
若手鍼灸師の先生方も、医療面接時に、
自然に上のような見積もりを立てているはずです。

この患者さんに問診をしたところ、次のような病歴が得られとします。
「頭痛がだんだんと増悪してきた。」

この情報から先生方は、事前に想定した疾患の
可能性の確率を変えることになると思います。

脳腫瘍の可能性を、5%から50%に増加させるという変化です。
ここで使われたものが、尤度比になります。

「頭痛がだんだんと増悪してきた」という徴候が、
脳腫瘍の確率を5%から50%へ増加させる尤度比をもつと考えたわけです。

 

主訴だけの疾患確率を、病歴や身体所見がその疾患の可能性を、
どれほど増加させるかという見積もりが尤度比です。

ここは大切なところですので、
病歴前確率、尤度比、病歴後確率の関係をもう一度、整理しておきます。

 

病歴前確率、尤度比、病歴後確率の関係

所見を得る前の脳腫瘍の疾患確率(病歴前確率)
だんだんと増悪する頭痛という所見(尤度比)
所見を得た後の脳腫瘍の疾患確率(病歴後確率)

そして、確率論ですので、計算式が成り立ちます。
病歴前確率(事前オッズ)×尤度比=病歴後確率(事後オッズ)

乗じる尤度比が1を越えて高いほど事後確率が高まり、
1以下で0に近いほど疾患除外へと傾きます。

尤度比1の情報は確率を変化させませんので、
臨床判断学の観点からは価値はありません。

また、独立した情報であれば、各々の尤度比を連続的に乗じることができます。

主訴から判断した疾患の可能性が高く、尤度比が高い所見が、
幾つかあれば、その疾患が確定される可能性は高くなるというわけです。

次回は尤度比の計算し方や、オッズの意味について復習していきます。

 

鍼灸院天空 夘野裕樹

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