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鍼灸院で患者中心の医療をするためのNBM

鍼灸院で患者中心の医療をするためのNBM

前回までにエビデンスに基づく診断について、復習しました。
EBMにも、限界があります。未来予測が苦手という点です。

例えば、若手先生の鍼灸院に慢性腰痛患者が来院され、鍼灸治療を希望されたとします。

慢性腰痛の治療で、6か月後の改善率が、鍼治療では47.6%、
通常治療では27.4%という根拠(ドイツにおけるRCTの結果)を示し、
慢性腰痛に鍼は効果があると説明の後に。

患者さんから、「ところで、私の腰痛は治りますか?」という質問に、
上のエビデンスでは、答えることができないというがEBMの限界といえます。

 

そこで、語りに基づく医療(Narrative-based medicine)という考え方が、作られました。

NBMはEBMのエビデンス偏重の反省から作られ、
根拠はあくまで参考程度で、基づくべきは患者の思いであるという考えです。

 

〇EBM ― Evidence-based medicine
根拠に基づく医療

〇NBM ― Narrative-based medicine
語りに基づく医療

 

EBMの根幹が、「情報にだまされるな」であれば、
NBMの根幹は、患者にあえて「だまされよう」とも言えます。

NBMは患者の言葉をうそがあるとなど否定せず、そのまま受け入れる、
受け入れた状態でどのように治療していけばよいのかを、考えていく医療です。

臨床家主体ではなく、患者主体であるとも言えます。

患者との対話を通じて、患者自身が語る物語から病気の背景を理解し、
抱えている問題に対して全人的なアプローチを試みようという臨床手法です。

 

NBMの特徴

1.患者の語る病の体験という「物語」に耳を傾け、尊重する
2.患者にとっては、科学的な説明だけが、唯一の真実ではないことを理解する
3.患者の語る物語を共有し、そこから新しい物語、が創造されることを重視する

NBMは、あくまで患者との1対1の対話と、
そこから生まれる信頼関係を重視しています。

この視点は、サイエンスとしての医学と、アートとしての人間同士の触れあい、
という両者の距離を埋めていくものとなります。

 

EBMとNBMは、一般的には、対立する概念とされています。

しかし、疾患(disease)の理解にはEBMを、
悩みや苦しみを伴う病気(illness)の理解には、NBMと位置づけられます。

即ち、根拠に基づく医療(EBM)と、
経験に裏打ちされた医療(NBM)とが統合されてこそ、
患者の満足度の向上につながります。

 

医療とは、Art(経験)とScience(エビデンス)であるという考え方が、
ここでも述べられています。

患者の話に耳を傾け、病の背景を読み解いていくプロセスに、
マニュアルはありません。

最近では、NLPを用いると可能という意見もありますが、
可能になる範囲は限定されます。

ただ、注意点としては以下のようなものがあります。

 

NBM実践のための留意点

㋑診療に直接、関係のない話にも、積極的に耳を傾ける
㋺治療に対する患者自身の意欲をサポートする
㋩患者にもっとも勇気を与えるのは、彼らに対する共感である
㊁担当医だけでなく、医療従事者全体で患者を受け入れる
㋭前回との違いや達成度を指摘しながら、患者に希望を与える

このように、NBMは、患者中心の医療といえます。
私たち、鍼灸師にこそ、必要不可欠な考え方といえます。

 

患者中心医療のKey Wordにはどのようなものがあるのでしょうか?

一つには、医療面接があります。
医療系のコンサルなどでは、「問診」が重要とされていますが、
問診ではなく、面接、インタビューになります。

この医療面接には、科学的、物語的、直感的の3つが必要になります。

 

もう一つは、臨床知です。

代表的には、科学的知識になりますが、
それだけでは、病気の人を診ることには限界があります。

ここで重要な役割を果すものが、暗黙知です。

暗黙知とは、経験にもとづく身体上あるいは勘のような感覚上の知識であり、
言語的表現ができないものをさすとされています。

したがって、暗黙知は、医療面接における物語的、
直観的のところで重要な役割を果たします。

 

若手鍼灸師の先生が、暗黙知を形成するには、
Liberal・Arts(一般教養)が絶対的に必要になってきます。

具体的には以下のようなものになります。

 

暗黙知形成に必要なもの

人類学、社会学、心理学、言語学、倫理学、哲学、文学、法学、宗教学

先日、加藤先生の「問診のセミナー」がありました。
そこで、説明されていることは、基本的にはNBMになるのですが、
当然ですが、方法論でしかありません。

加藤先生の問診のセミナーを生かすも殺すも、若手鍼灸師の先生が、
どれだけ暗黙知を形成できるかに係っているかといっても、過言ではないと思います。
鍼灸院天空 夘野裕樹

 

追伸(加藤より)

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