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鍼灸院で検査前診断の精度を理解するために必要なこと

鍼灸院で検査前診断の精度を理解するために必要なこと

病歴の科学化とは、ある意味、確率論です。
病歴(History)の科学化とは以下のような手順で進んでいきます。

1.主訴
←病歴前確率

2.病歴
←病歴後確率(診察前確率)

3.診察
←診察後確率(検査前確率)

4.検査
←検査後確率

患者さんの主訴から始まって、検査まで、それぞれの前後に確率があります。
それぞれの確率が、病歴の科学化といえます。
そして、病歴に基づいて疑診断、確定診断がなされます。

 

ところで、若手鍼灸師の先生方は、
病歴だけで診断がつく割合はどれくらいだと思いますか?

成書により若干の異なりはありますが、実に85%とされています
徒手検査は、その割合を10%上げます。

すなわち、医療面接と徒手検査だけで、病気の95%は診断がつくわけです。
血液検査や画像検査が診断に寄与する割合は5%にしかすぎません。

ここからも病歴の重要性が理解できると思います。

 

エビデンスによる鑑別診断

主訴、病歴、診察、検査、
それぞれの前後に診断への確率があります。

その時に得られた所見(徴候)のエビデンスを利用して、
確率を上げたり、下げたりしながら、確定診断を進めていきます。

これがエビデンスによる、鑑別診断となります。

若手鍼灸師の先生方は、学校で習われたと思いますが、
このときに使用する確率論が、「感度」、「特異度」などです。

それぞれを一緒に、復習していきましょう。

 

診断精度を理解するための4種の概念

診断の精度を理解するには、4種の概念があります。

1.検査前確率(Pretest probability)
2.感度(Sensitivity)
3.特異度(Specificity)
4.尤度比(Likelihood ratios)

 

1.検査前確率とは?

身体所見の結果を評価する以前に、その疾患が存在する確率です。
疾患頻度と呼ばれるものです。

例えば、風邪の場合、冬季にはインフルエンザの可能性は高くなりますが、
夏季では低くなるというようなことです

簡単に使用例を示しておきます。

 

― 用い方の例 ―

身体所見の結果による診断確率 → 40%

この診断の検査前確率 → 50%・・・A
→ 10%・・・B

 

診断価値=検査前確率+診断確率(互いに排反した確率なので加法できる)

A 50%+40%=90% → 診断的価値あり
B 10%+40%=50% → 診断的価値乏しい

主訴からの検査前確率が低くなる疾患は、
その疾患である可能性があまりないということです。

一般的な主訴は、一般的な疾患を示す傾向が高いともいえます。

この疾患頻度の文献統計はあり、
臨床の場面で利用することはできますが、
自院(自分自身)の経験(結果)により、調整する必要があります。

先生方の鍼灸院によって、この数字は若干、異なるというわけです。

 

教科書の例に、2次救急病院での検査前確率があります。
それによりますと。

・ふくらはぎの急性疼痛あるいは腫脹
→ 近位深部静脈血栓の検査前確率:18%

・急性の腹痛
→小腸閉塞の検査前確率:4%

・咳と発熱
→肺炎の検査前確率:12~30%

これらの確率は大規模な病院によるものですので、
一般の開業医の外来ではもっと低くなります。

私たちの鍼灸院の外来では、更に低くなります。

 

鍼灸院の外来で、比較的多い主訴に「腰の痛み」があります。

鍼灸院外来でのこれによる検査前確率は、
非特異的腰痛症が85~90%というところでしょうか。

このように、EBMの実践(実態)とは、
画一的な医学ではなく、受診する患者それぞれに基づくものといえます。

次回は、病歴の科学化における最も大切な概念である、
感度、特異度について、復習していきます。

 

鍼灸院天空 夘野裕樹

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