鍼灸院のホームページは広告規制の対象?|原則対象外と4つの例外

鍼灸院のホームページは広告規制の対象?|原則対象外と4つの例外 法律・制度

「うちのホームページ、『腰痛』って書いてあるけど、まずいんじゃない?」

勉強会でそう言われて、返す言葉に詰まったこと、ありませんか。

ネットで調べると「症状名は書けない」という解説が出てきます。

一方で「ホームページは広告規制の対象外」という解説も出てきます。

どちらも見かけるので、余計に分からなくなりますよね。

この記事を読むと、その2つがなぜ両方出てくるのかが分かります。

答えは、指針のどの章の話をしているかにあります。

結論
・あはき師法・柔整師法の広告規制は、施術所のウェブサイトには原則としてかからないと指針はしています
・ただし薬機法・景品表示法などの広告関連法令はウェブサイトにも及ぶと指針が明記しています
有資格者のサイトについて「症状名を書くな」とした記述は、指針の中に見当たりません(「症状名を表現すべきでない」は無資格者の章=Ⅶ-3(6)の記述です)
・ただし症状名+「効きます」「根本治療」は別問題。ここは指針が明確に挙げています(Ⅵ-4(1))

【制度に関する注記】 令和7年2月18日付「あはき・柔整広告ガイドライン」(厚労省・医政発0218第1号)にもとづく整理です。制度は改定されます。最新は指針本文と保健所でご確認ください(確認日 2026-08-10)。

そもそも「広告」って、何を指しているの?

話がこじれる原因は、ここにあります。

法律でいう「広告」は、私たちが日常で使う「宣伝」とは範囲が違うのです。

指針は、広告に当たるかどうかを3つの要件で判断するとしています。

しかも、3つのいずれも満たす場合という建て方です。

1つでも欠ければ、広告には当たらないことになります。

「① 利用者を施術所等に誘引する意図があること 【誘引性】/② 施術者の氏名又は施術所等の名称が特定可能であること 【特定性】/③ 一般人が認知できる状態にあること 【認知性】」(Ⅱ-1)

自院サイトは、①も②も満たしそうですよね。

分かれ目になるのは③です。

ウェブサイトは、見ようと思った人が自分でURLを入れたり検索したりして開くもの。

だから③を満たさない、というのが指針の整理です。

図解1:広告に当たるかどうかを判断する3つの要件と、自院ウェブサイトの位置づけ

あはき・柔整広告GL Ⅱ-1/Ⅱ-6(6)

「広告」に当たる3つの要件

3つのいずれも満たす場合に広告に該当すると判断されたい、とされています

① 誘引性

利用者を誘引する意図

施術者・施術所の利益を期待して誘引しているかで判断

② 特定性

氏名・施術所名が特定可能

複数の施術者・施術所が対象の場合も該当

③ 認知性

一般人が認知できる状態

インターネット上の情報提供との関係で問題になる、とされる

③を満たさないとされる

自院ウェブサイト

自らURLを入力する/検索して閲覧する → 「引き続き原則として広告とは見なさないこととする」(Ⅱ-6(6))

③を満たすとされる

バナー広告等・SNSの書き込み等

①②も満たす場合には広告として取り扱う(Ⅱ-6(6)・Ⅵ-1(1))

模式図です。3要件の当てはめは個別の事情で変わり、判断するのは所管の都道府県・保健所です。ここでいう「対象外」は、あはき師法・柔整師法の広告規制についての話に限られます(後述)。

エビデンスボックス① 「原則として広告とは見なさない」の出どころ(飛ばしてOK・深く知りたい方向け)
  • 指針Ⅱ-6(6)「インターネット上の情報提供に関する基本的な考え方」:ウェブサイト等は自らURLを入力・検索して閲覧するものであるためⅡ-1の③「認知性」を満たさないものとして従来情報提供や広報として扱ってきた、として「引き続き原則として広告とは見なさないこととする」と記載
  • 同項はただし書きで、バナー広告等やSNSでの書き込み等は3要件をいずれも満たす場合に広告として取り扱うとし、Ⅵを参照させている
  • Ⅰ-2(2)②にも同趣旨(③認知性の要件との関係で原則として広告規制の対象とはならないが、ウェブサイト等の適切な在り方も指針に定め自主的取組を促す)
  • 出典:厚生労働省医政局長「あはき・柔整広告ガイドライン」医政発0218第1号(令和7年2月18日)本体 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001412674.pdf

ホームページは、本当に「規制の対象外」なの?

指針Ⅵ-1(1)には、はっきりこう書かれています。

「本指針Ⅱの6(6)のとおり、原則としてウェブサイト等は、あはき師法、柔整師法の規制対象となる広告には該当しない。」(Ⅵ-1(1))

ここで終わってしまう解説が、とても多いのです。

でも、この文には続きがあります。

「もっとも、以下のアからウのように」──と、例外の入口が並んでいます(指針の条文はア〜ウの3つで、当サイトでは実務に合わせて「アの後段=リンク先の自院サイト」を分けて4つに整理しています)。

大事なのは、この例外がサイトの中身ではなく入口の作り方で決まる点です。

同じ内容のページでも、どこから人が来るかで扱いが変わり得ます。

広告を1本出した瞬間に、リンク先の自院サイトまで規制の側に来る、という建て方です。

図解2:自院ウェブサイトが「広告」の側に移る4つの入口

あはき・柔整広告GL Ⅵ-1(1) ア〜ウ

サイトが「広告」の側に移る4つの入口

中身ではなく「入口の作り方」で扱いが変わる、という建て方になっています

入口1

バナー広告等

インターネット上のバナー広告/検索時にスポンサーとして表示されるもの/費用を支払って意図的に上位表示させたもの/掲載料・広告料を支払っている口コミ・ランキングサイト(Ⅵ-1(1)ア)

入口2

そこからリンクする自院サイト

バナー広告等と「一体的な関係」にあることで一般人が容易に認知できる状態にあり③を満たす。①②も満たす場合は広告として取り扱う(Ⅵ-1(1)ア後段)

入口3

SNSでの書き込み等

公開範囲が限られていない場合はもちろん、公開範囲を限っている場合も、2次的・3次的に伝達されることから③を満たすとされる(Ⅵ-1(1)イ)

入口4

紹介サイト・リスティング・動画広告

検索結果に連動するスポンサー情報/費用を払って上位表示される検索結果/施術所紹介サイトの紹介ページ/リスティング広告/動画広告。これらを入り口として閲覧するサイトも媒体と一体として扱う(Ⅵ-1(1)ウ)

模式図です。いずれも「①誘引性・②特定性・③認知性のいずれも満たす場合」に広告として取り扱うとされたもので、自動的に違反になるという意味ではありません。個別の判断は所管の保健所にご確認ください。

とくに実務に効くのが、入口3と入口2です。

「鍵アカウントだから大丈夫」という整理は、指針の書き方とは合いません。

公開範囲を限っていても③を満たすとされているからです。

入口2も見落とされがちです。

リスティング広告を出している施術所は、少なくありません。

その場合、リンク先の自院サイトも「一体的な関係」として扱われ得ます。

つまり読者の多くは「対象外」ではなく「条件つき」の位置にいます。

まず確認したいのは、自院サイトへの入口を有料で作っていないかです。

ここが、この記事でいちばん持ち帰ってほしい点です。

「対象外」で安心してはいけない理由は?

ここは、記事の中で落としてほしくないところです。

「規制対象外」は、あはき師法・柔整師法の広告規制に限った話にすぎません。

指針Ⅰ-3は、他の法律との関係をこう書いています。

「あはき・柔整に関する広告の規制については、あはき師法又は柔整師法の他にも広告関連法令等があり、これらにおいては、あはき及び柔整の施術所等のウェブサイト等も規制対象となる。」(Ⅰ-3)

指針は、広告に関わる法律を5つ挙げています。医療法・薬機法・景品表示法・不正競争防止法・健康増進法です。

これらは、ホームページにも及ぶと指針が明記しています。

しかも指針Ⅰ-2(4)は、広告の定義に該当しない情報についても、広告関連法令等に抵触する場合は行政処分や罰則の対象となり得ると、わざわざ念を押しています。

だから「対象外だから何を書いてもよい」にはなりません。

実務では、この一文をセットで覚えてください。

あはき師法・柔整師法の広告規制は原則かからない。ただし薬機法・景表法などはウェブサイトにも及ぶと指針が明記している。

エビデンスボックス② 他法令との関係(Ⅰ-2(2)⑤/Ⅰ-2(4)/Ⅰ-3/Ⅳ-2/Ⅴ-4・飛ばしてOK)
  • 「広告関連法令」の定義(Ⅰ-2(2)⑤)=医療法/医薬品医療機器等法(薬機法)/景品表示法/不正競争防止法/健康増進法
  • ウェブサイト等に及ぶことの直接の根拠はⅠ-3(「これらにおいては、あはき及び柔整の施術所等のウェブサイト等も規制対象となる」)
  • Ⅰ-2(4)(禁止される広告等の基本的な考え方)=「…あはき師法及び柔整師法上広告が可能とされた事項や、本指針Ⅱの1に示す広告の定義に該当しない情報についても、広告関連法令等又はそれら法令に関連する広告の指針に抵触する場合は、広告関連法令等による行政処分や罰則の適用となることに留意する必要がある」。「広告に当たらないから安心」とはならない直接の根拠はここです
  • Ⅳ-2は各法の規定を挙げ、薬機法・健康増進法・景品表示法・不正競争防止法については、ウェブサイト等に掲載した場合も規制され得る旨を記しています(薬機法66条1項・68条、健康増進法65条1項、景表法の優良誤認・有利誤認、不正競争防止法21条3項)。医療法についてはウェブサイト掲載への言及がありません(医療法との関係は、医療と紛らわしい名称等の規律として別に置かれています)
  • Ⅴ-4:これらの広告に関する規定は重畳的に適用され得るとし、他法令に違反する・他法令に基づく処分を受けるとの理由であはき師法又は柔整師法の広告違反が免責されることはない、と記載
  • 通知鑑文(医政発0218第1号):これらの法令の他の法令に抵触する広告であることが疑われる場合に、各担当課室が連携して広告実施者への指導等を行うなどの対応を求める記載あり
  • 出典:鑑文 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001412949.pdf /本体 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001412674.pdf

自院サイトに書いてはいけないことは?(8項目)

指針Ⅵ-4が「ウェブサイト等に掲載すべきでない事項」として8項目を挙げています。

これが、有資格者のウェブサイトに向けた列挙です。

実務の言葉に置き換えて並べます。

(1) ウソ・証明できないこと

 →指針が例に挙げるのは「〇〇の治癒率○○%」「○%の満足度」「たった1回で効果を実感」/加工・修正した施術前後の写真

(2) 他と比べて自分が優れていると示すこと

 →「日本一」「No.1」/口コミサイトで1位/著名人が受療している旨/謝礼を払って好意的な口コミを書いてもらうこと

(3) 誇大な内容・都合のよい情報の過度な強調

 →任意の資格や認定の誇張/撮影条件や被写体の状態を変えて撮った施術前後の写真/都合のよい感想だけを選んで載せること

(4) 早急な受療をあおる表現・費用の過度な強調

 →費用の安さの過度な強調・誇張

(5) 根拠の乏しい情報で不安をあおり、受療に誘導すること

 →症状のリスクを強調して誘導/「○○術は効果が高く、おすすめです」/他の施術のリスクを強調して誘導

(6) 公序良俗に反すること

 →わいせつ・残虐な図画や映像、差別を助長する表現

(7) 品位を損ねる内容のもの

 →施術所等や施術の内容について品位を損ねる、あるいはそのおそれがある広告

(8) あはき師法、柔整師法以外の法令で禁止されるもの

 →薬機法・景品表示法などの広告関連法令も併せて守ること、とされています

指針は(1)について「ここで掲げるものは例示」と明記しています。

つまり、ここに載っていない書き方でも対象になり得ます。

リストを潰していく発想ではなく、趣旨で考えるほうが安全です。

そして、ここが本記事の分かれ道です。

この8項目に「症状名」は入っていません。

エビデンスボックス③ Ⅵ-4の8項目・見出しの逐語(飛ばしてOK)
  • (1) 内容が虚偽にわたる又は客観的事実であることを証明することができないもの
  • (2) 他との比較等により自らの優良性を示そうとするもの
  • (3) 内容が誇大なもの又は施術所等にとって都合が良い情報等の過度な強調
  • (4) 早急な受療を過度にあおる表現又は費用の過度な強調
  • (5) 科学的な根拠が乏しい情報に基づき、利用者の不安を過度にあおる等して、施術所等への受療を不当に誘導するもの
  • (6) 公序良俗に反するもの
  • (7) 品位を損ねる内容のもの
  • (8) あはき師法、柔整師法以外の法令で禁止されるもの
  • (1)には「なお、ここで掲げるものは例示であって、他の場合であっても本指針の対象となり得る」旨の記載があります
  • (3)は①任意の専門資格・施術所認定等の誇張/②撮影条件や被写体の状態を変えて撮影した施術前後写真による効果・有効性の強調/③便益を与える感想等のみの意図的な取捨選択/④施術の内容と直接関係ない事項による誘引、の4つに分かれています
  • (5)はア)症状のリスク強調による誘導/イ)特定の施術の有効性の強調(例「○○術は効果が高く、おすすめです」)/ウ)他の施術のリスク強調による誘導、の3つに分かれています
  • Ⅵ-4は、Ⅵ-1(2)により「関係団体等による自主的な取組を促す」枠組みの中に置かれています。ただし(8)が広告関連法令に接続しています

逆に「書いたほうがよい」とされているものは?

制度の記事は「やってはいけない」ばかりになりがちです。

でもⅥ-3は珍しく、書くべき側を挙げています。

自費による施術を行う施術所等がウェブサイト等に掲載すべき事項、という位置づけです。

  • (1) 問い合わせ先:表示した情報について利用者が容易に照会できるよう、問い合わせ先を記載する等で明示する
  • (2) 自費の施術の内容と、通常必要とされる費用:標準的な費用が明確でない場合は、金額の下限から上限までの範囲を示す等して分かりやすく示す。回数券やプリペイドカード等を販売する場合は、商品の内容や契約内容を正確に理解して購入できるよう表示する
  • (3) 自費の施術の主なリスク・副作用等:標準的な費用や施術期間・回数を掲載する等して、適切かつ十分な情報を分かりやすく提供する

※この3項目は、指針Ⅵ-3の記載を実務の言葉に置き換えたものです(逐語ではありません)。

前文にも留意が要ります。

リンクを貼った先のページに逃がしたり、利点・長所の情報と比べて極端に小さな文字で載せたりする形式は控えること、とされています。

料金とリスクを、同じ見やすさで置いてください。

書かないほうがリスクが高い、という珍しい項目です。

自院サイトを見直すなら、まずこの3つから手をつけると効果が早いです。

「腰痛と書いてはいけない」は、どこから来た話?

出所は、Ⅶ-3(6)です。

そしてⅦは「無資格者の行為に関する広告について」という別の章です。

ざっくり言うと「腰痛・膝の痛み・肩こり等は書くな」という一文です。

ただし、これが置かれている場所が問題です。

「また、「腰痛」、「膝の痛み」等の痛み症状に対する施術、慢性の「肩こり・疲労」等の常態的な症状に対する施術の表現は、特定の疾患に対する施術或いは疾患の原因となる可能性を含んでいる症状に対する施術に当たる可能性が高いことから、広告及びウェブサイト等に表現すべきでないものである。」(Ⅶ-3(6))

この項目の名前は「あはき師法、柔整師法等に抵触する内容を含むもの」です。

前段の趣旨は、国家資格を必要とする業を行っていると利用者に誤認させる表示は不適切、というものです。

症状名を挙げるなという規律は、その誤認防止から導かれています。

一方、有資格者のウェブサイトについて「掲載すべきでない」とされているのはⅥ-4の8項目でした。

そこに症状名は挙がっていません。

これが、冒頭の2つの解説が両方出てくる理由です。

図解3:Ⅵ(有資格者のウェブサイト等)とⅦ(無資格者の行為に関する広告)は別の章

章の取り違えを解体する

ⅥとⅦは、別の章として並んでいます

「症状名を表現すべきでない」という記述が置かれているのは、どちらでしょうか

インターネット上のウェブサイト等について

有資格者の施術所等が対象

Ⅵ-3=掲載すべき事項(3項目)/Ⅵ-4=掲載すべきでない事項(8項目)。8項目に症状名は挙がっていませんただし「腰痛に効きます」は別(Ⅵ-4(1))

無資格者の行為に関する広告について

指針が定義する「無資格者」が対象

Ⅶ-3=広告に掲載すべきでない事項(8項目)。その(6)に「腰痛」「膝の痛み」等の記述があります

模式図です。「だから有資格者は何を書いてもよい」という意味ではありません。Ⅵ-4(1)や(5)の例示、および広告に該当する媒体での規律(Ⅳ-1(2))は別に働きます。指針Ⅰ-1の「無資格者」は、免許の有無ではなく、提供している行為で定義されている点にもご留意ください。また、ここでいう章の区別は、あはき師法・柔整師法の広告規制についての話です。薬機法・景品表示法などの広告関連法令は、ウェブサイトにも及ぶと指針Ⅰ-3が明記しています。

「免許を持っているから無関係」とは言い切れない理由

もうひとつ、あまり知られていない論点があります。

指針Ⅰ-1の「無資格者」の定義です。

この定義は、Ⅰ-1の説明文の中に、括弧書きとして置かれています。

「…消費者庁にあはき又は柔整の免許を有していない者等(あはき又は柔整等の免許を有しているが当該免許に係る業以外の行為を提供している者も含み、以下「無資格者」という。)…」(Ⅰ-1)

読んでのとおり、免許の有無だけで切られていません。

その免許に係る業以外の行為を提供している者も含む、という書き方です。

つまりこの定義は「誰か」ではなく「どの行為を提供しているか」で線を引く形になっています。

ただし、ここから先を指針は書いていません。

「免許を持つ者が免許外の行為も提供していればⅦが適用される」とまでは明示されていないからです。

指針の定義がこうなっている、という事実の確認に留め、判断は所管の保健所に確認するのが安全です。

なお、あはき・柔整以外の施術を掲げる場合については、Ⅶの前に指針Ⅲ-3(1)②ア・Ⅲ-3(2)②イが別の規律を置いています。こちらは別記事で扱います。

エビデンスボックス④ Ⅶの位置づけと参照関係(飛ばしてOK)
  • 章題:「Ⅶ.無資格者の行為に関する広告について」
  • Ⅶ-1(基本的な考え方):消費者庁に無資格者による行為で発生した事故の情報が寄せられていること、平成24年8月2日に国民生活センターが公表した資料での指摘等を挙げ、無資格者の行為の広告の適切な在り方について指針に定めることとした旨を記載
  • Ⅶ-2(本項目の対象):本項目の対象は本指針Ⅱの4(1)と同様とし、関係団体等による自主的な取組を促すもの、としてⅡ-4(1)を引く形になっています。この参照が対象者の範囲を指すのか対象行為を指すのかは、指針の文言だけからは確定できないため、当サイトは解釈を示しません
  • Ⅶ-3(6)の項目名:「あはき師法、柔整師法等に抵触する内容を含むもの」。前段は、国家資格を必要とする業を行っていると利用者に誤認を与えるような表示は不適切であり、写真・画像等を用いた場合も同様である旨
  • Ⅰ-1:指針の「無資格者」の定義に、免許を有しているが当該免許に係る業以外の行為を提供している者を含む旨の括弧書きがある

結局、症状名は書いていいの?いけないの?

3段に分けると整理できます。

ここは1段ずつ確認してください。

1段目。指針は、有資格者のウェブサイトについて「症状名を書くな」とは述べていません。

Ⅵ-4の列挙に含まれていないからです。

2段目。ただし、症状名に効果の断定や推奨を足すと話が変わります。

Ⅵ-4(1)の例示には「○○に効きます」「根本治療」といった表現が並びます。

Ⅵ-4(5)イ)の例示には「○○術は効果が高く、おすすめです」があります。

3段目。広告に該当する媒体では、あはき師法7条2項に基づく別の規律が乗ります(Ⅳ-1(2)。詳細は別記事)。

つまり、同じ言葉でもウェブサイト側と広告側で結論が変わり得るわけです。

症状名そのものと、効果の断定・推奨は、切り分けて考えてください。

施術所の「名称」は別の規律です。施術所の名称はあはき師法7条1項の広告可能事項に含まれるため、ウェブサイトの議論とは別の規律になります。詳細は別記事で扱います。

この指針は、法律なの?

指針そのものは法律ではありません。通知の鑑文は、これを技術的助言と位置づけています。

ただし「助言だから守らなくてよい」とは読めません。指導は現に都道府県・保健所が行いますし(Ⅴ-1)、Ⅵ-4(8)は広告関連法令に接続しています。

中身の多くは景品表示法や薬機法とも重なるため、結局は守る側に立つのが安全です。

拘束力の源泉は、指針そのものではなく、あはき師法7条・柔整師法24条と広告関連法令の側にあります。次に見る指導や罰則の手順も、これらの法律上の広告違反に対するものです。

違反と判断されたら、どうなるの?

指針Ⅴ-5に、手順が書かれています。

罰金で終わらず、保険請求の土台にまで及ぶのがポイントです。

図解4:広告違反が指摘されたあとの流れと、受領委任への波及

あはき・柔整広告GL Ⅴ-5

指摘されたあと、どこまで進むのか

指針が示す手順です。個別の事例に応じて柔軟に対応すべきものとされ、この順に限定されるものではないとも記されています

  1. 1通報・発見と任意の調査/施術所開設等届出受付担当部署等が説明を求める等の調査を行う
  2. 2行政指導/広告の中止・是正を訪問・電話・文書で求める。目安となる是正期間を設ける。広告代理店等も対象
  3. 3報告書の徴収・書面による改善指導/一定期間を経ても是正されない場合(あはき師法10条1項・柔整師法21条1項)
  4. 4告発/指導に従わない・違反を繰り返す・報告を怠る又は虚偽報告の場合、刑事訴訟法239条2項により司法警察員へ書面で告発することを検討
  5. 530万円以下の罰金(あはき師法13条の8第1号又は6号/柔整師法30条5号又は7号)
  6. 6受領委任の協定・契約違反として都道府県・地方厚生局へ通知/罰金刑に至った施術者について(Ⅴ-5(2)ウ)

模式図です。すべての事案がこの順に進むわけではなく、指針も「以下のような手順に限定されるものではない」としています。金額・条番号は令和7年2月18日時点の指針の記載で、法改正により変わり得ます。

6段目が、見落とされやすい接続点です。

受領委任の協定・契約には、違法な広告により患者を誘引してはならない旨の規定があります。

だから広告の問題が、療養費の土台に波及し得るわけです。

苦情相談の窓口は、保健所のあはき師法・柔整師法担当部署(施術所開設等届出受付担当部署)等が想定されています。

迷ったときの相談先も、まずここです。

▶ 受領委任・療養費のしくみは:[鍼灸の療養費(保険)実務ガイド|6疾患・同意書・受領委任](https://acupunctuist.com/2026/07/25/acupuncture-ryoyohi-insurance/)

明日から使える|説明トーク例と、自院HPでの表現

①スタッフに「うちのサイト、『腰痛』って書いていいんですか?」と聞かれたとき
「厚生労働省の指針だと、施術所のホームページは、あはき師法・柔整師法の広告規制については原則として対象外という整理なんです。
ただ、書き方によっては薬機法や景品表示法の側にふれることがあります。
だからうちは、効果を言い切らず、出典のある範囲で書く方針にしています。」

②ホームページ制作業者に「症状名を入れないとSEOで勝てませんよ」と言われたとき
「症状名そのものを禁じた記述は、有資格者向けの項目には見当たらないという理解です。
ただ『効きます』『根本治療』といった言い切りは指針が挙げているので、そこは避けてください。
あと、リスティング広告を出すなら扱いが変わるので、その前提で作りたいです。」

③患者さんに「ホームページに『腰痛』って書いてありますけど、効くんですか?」と聞かれたとき
「効きます、と言い切ることは、うちではしないようにしています。
ただ、腰痛に対する鍼の研究は国内外にあるので、結果が一致していないものも含めて、報告されている範囲でご説明できます。
まずは痛みの出方や、ほかに気になる症状がないかを伺わせてください。気になるサインがあれば、先に医療機関の受診をおすすめしています。」

上の3例は、対面での口頭説明を想定したものです。指針Ⅱ-6(4)は、施術所内で掲示・配布するパンフレット等は誘引性を満たさず情報提供・広報と解されるとしていますが、口頭での説明そのものについて指針は明示していません。むしろⅡ-5オは、不特定多数への説明会等で口頭で行われる演述を、広告に該当する媒体の例に挙げています。同じ文面をウェブサイトやSNSに掲載すれば、位置づけはさらに変わり得ます。そのまま転記せず、掲載先に合わせて書き換えてください。

自院ホームページでの表現:リスクの低い書き方/避けたい書き方

以下は「この書き方なら適法」と保証するものではなく、相対的にリスクが低い/高い書き方の整理です。実際の記載は、最新の「あはき・柔整広告ガイドライン」本文と、所管保健所の指導をご確認ください。

  • リスクが低い:症状名に触れる場合は、出典と比較対象を添える(例:「〇〇(症状名)について、無治療と比べた改善が報告されています」+著者名・掲載誌・発表年まで明記する)
  • リスクが低い:自費の施術内容と費用の範囲、回数券等の契約内容、主なリスク・副作用を、料金と同じ見やすさで書く(Ⅵ-3)
  • リスクが低い:問い合わせ先を明示し、利用者が照会できる状態にしておく(Ⅵ-3(1))
  • リスクが低い:気になる症状がある場合は医療機関の受診をおすすめする、と明記する
  • 注意:リスティング広告・バナー広告を出している場合、リンク先の自院サイトも広告として扱われ得ます(Ⅵ-1(1)ア後段・ウ後段)。出稿の有無で、見直すべき範囲が変わります
  • 注意:SNSは公開範囲を限っていても③認知性を満たすとされています(Ⅵ-1(1)イ)
  • 注意:施術所の名称は別の規律です(別記事で扱います)
  • 避けたい:「○○に効きます」「根本治療」など、効果を言い切る書き方(Ⅵ-4(1))
  • 避けたい:「○○術は効果が高く、おすすめです」型の推奨(Ⅵ-4(5)イ)
  • 避けたい:「顧客満足度No.1」「改善率〇%以上」「たった1回で効果を実感」などの表現(Ⅵ-4(1)(2))
  • 避けたい:謝礼を渡して好意的な口コミを書いてもらうこと、都合のよい感想だけを選んで載せること(Ⅵ-4(2)(3))
  • 避けたい:撮影条件や被写体の状態を変えて撮った施術前後の写真(Ⅵ-4(3)②)

この記事で確認したこと・できなかったこと

正直に開示しておきます。

一次確認できたこと

  • 指針本体PDF(厚生労働省ドメイン)を全文取得し、Ⅰ〜Ⅶの章・項番号を突き合わせました
  • 通知の鑑文PDF(医政発0218第1号)を取得し、通知番号・発出日・発出者・宛先・技術的助言の一文を確認しました
  • Ⅵ-4の8項目は、指針の目次と本文の双方で見出し語を照合しています
  • ※逐語引用はPDF本文の文言に従っています。ただし改行位置・全角/半角の別・算用数字の書き方は読みやすさのため調整しています。文言そのものは変更していません
  • ※PDFの機械抽出では改行位置が崩れる箇所があるため、引用箇所はいずれも目次と本文の2か所で照合しました

確認できていないこと=保健所に聞くなら、この3点

1. 「鍼灸」と「整体」を併記している場合、Ⅶの対象になり得るか(指針の定義は行為で線を引いていますが、適用関係までは書かれていません)

2. 自院サイトの具体的な文言が問題ないか(判断するのは所管の都道府県・保健所です)

3. リスティング出稿がある場合、どこまでが「一体」とみなされるか(Ⅵ-1(1)ア後段・ウ後段の当てはめ)

窓口は、保健所のあはき師法・柔整師法担当部署(施術所開設等届出受付担当部署)です(Ⅴ-2)。

保健所側で判断できないものは、厚生労働省医政局医事課へ照会する手順も定められています(Ⅴ-5(1))。

なお、あはき法7条の広告可能事項の詳解/施術所の名称の制限/医療広告ガイドラインとの関係は、本記事の範囲を超えるため別記事に分けます。

FAQ

Q. 学会発表や論文の紹介は、広告になりますか?

A. 指針Ⅱ-6(1)は、学会や専門誌等で発表される学術論文・ポスター・講演等は社会通念上広告と見なされることはないとし、①誘引性を有さないため原則として広告に該当しないとしています。ただし、学術論文等を装いつつ不特定多数にダイレクトメールで送る等、実際には利用者を増やす目的と認められる場合は、誘引性を有すると判断されるとも記されています。

Q. 勤務している鍼灸師の個人ブログは、自由に書けますか?

A. 指針Ⅵ-2は、原則として施術所等に勤務する者等が個人で開設するブログ等の内容を対象とするものではない、としています。ただし、当該施術所等のウェブサイトのリンクやバナーが張られている等、サイトと一体的に運営されている場合等には、指針の内容を踏まえ利用者を不当に誘引することがないよう十分に配慮すべきとされています。院のサイトから相互にリンクしているなら、同じ基準で見直すのが安全です。

Q. ホームページ制作業者には、どう伝えればいいですか?

A. 伝えることは3つです。①効果を言い切る表現(「○○に効きます」「根本治療」等)は使わない(Ⅵ-4(1))。②自費の施術内容・費用の範囲・回数券等の契約内容・主なリスクを、料金と同じ見やすさで載せる(Ⅵ-3)。③リスティング広告やバナー広告を出す予定があるかを、最初に共有する。出稿があると、リンク先の自院サイトも広告として扱われ得るためです(Ⅵ-1(1)ア後段・ウ後段)。

まとめ

  • あはき師法・柔整師法の広告規制は、施術所のウェブサイトには原則としてかからないと指針はしています(Ⅱ-6(6)・Ⅵ-1(1))
  • ただし医療法・薬機法・景表法・不正競争防止法・健康増進法は、ウェブサイトにも及ぶと指針が明記しています(Ⅰ-3・Ⅳ-2・Ⅴ-4)
  • 広告の側に移る入口は4つ。バナー広告等/そこからリンクする自院サイト/SNS/紹介サイト・リスティング等です(Ⅵ-1(1)ア〜ウ)
  • 「症状名を表現すべきでない」という記述は、無資格者の行為に関する広告の章(Ⅶ-3(6))にあります。有資格者のサイトを扱うⅥ-4の8項目に、症状名は挙がっていません
  • ただし症状名+効果の断定・推奨は別問題です(Ⅵ-4(1)(5))。施術所の名称も別の規律です(Ⅲ-3(2)②)
  • Ⅵ-3は「書いたほうがよい」側。問い合わせ先/自費の内容と費用の範囲/回数券等の契約内容/主なリスク・副作用です
  • 指針そのものは技術的助言(通知の鑑文に明記)。ただし指導は保健所が行い、罰金に至れば受領委任の協定・契約違反として地方厚生局へ通知されるとされています(Ⅴ-5(2)ウ)

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参考文献(確認日 2026-08-10)

1. 厚生労働省医政局長「あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(あはき・柔整広告ガイドライン)について」医政発0218第1号、令和7年2月18日.(通知鑑文)https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001412949.pdf

2. 同上・別紙「あはき・柔整広告ガイドライン」本体 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001412674.pdf

3. 厚生労働省医政局医事課「あはき・柔整広告ガイドライン(概要)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001412682.pdf

4. あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)第7条・第10条・第13条の8

5. あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第七条第一項第五号の規定に基づくあん摩業等又はこれらの施術所に関して広告し得る事項(平成11年厚生省告示第69号)

6. 地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項(本指針が技術的助言である根拠。通知鑑文末尾に記載)

更新履歴

  • 本記事は初版です。令和7年2月18日付「あはき・柔整広告ガイドライン」(医政発0218第1号)の本体・鑑文を一次確認して作成しました(確認日 2026-08-10)
  • 指針の改定・関連法令の改正があった場合は、確認日とともにこの欄に追記します

本記事は鍼灸師向けの学術情報の提供を目的としたものであり、特定の治療効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。鍼灸師は疾病の診断を行う立場にはありません。症状の型の判断や併存疾患の評価は医療機関の役割です。個別の患者への対応にあたっては、受診を優先すべきサインがないかを確認し、必要に応じて医療機関の受診をおすすめしてください。あわせて、本記事の制度に関する記載は執筆時点の公開情報にもとづく整理であり、法的助言ではありません。特定の表現の適法性を保証するものではなく、広告・ウェブサイトの表現に関する最終的な判断は所管の都道府県・保健所によって行われます。個別の記載は、最新の指針本文と所管保健所へご確認ください。

【AI作成・編集責任について】本記事はAI(人工知能)が作成し、株式会社addwisteria の加藤タカシが編集責任者として内容を確認しています。引用した論文・ガイドラインの数値や推奨は改訂により変わることがあるため、実際の臨床判断では各原典の最新版をご確認ください。

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