「先生、次はいつ来ればいいですか?」
施術のあと、着替えながらこう聞かれること、ありませんか。
週1回と答えるか、2〜3日おきと答えるか。少し迷った経験があるはずです。
肩こりへの鍼の頻度は、何を根拠に決まっているのでしょうか。
この記事は、その根拠を一次資料までたどります。「週何回」という数字は出てきません。その代わり、どこで見直すかを決める材料は見つかりました。
結論(先に3つだけ)
肩こりへの鍼の頻度を無作為に振り分けた試験は、当サイトが2026年9月8日に調べた範囲では見つかりませんでした。39試験・2万人分のデータでも、1週あたりの頻度と効果の大きさの関連は見いだされていません。
回数が数字で書かれていたのは、診療ガイドラインではなく保険の給付ルールでした(米国メディケア・慢性腰痛)。そこには「改善していない、または悪化している場合は中止する」と書かれています。
日本には、肩こりの鍼で頻度を主題にした原著が2本あります。週2回・2週で計4回という設計で、終了時に下がり14日後にはほぼ開始前の値に戻ったと報告されています(8名・対照群なし)。なお、上記の39試験・2万人の解析(Vickers 2018)の対象疾患に、肩こり(katakori)は含まれません。
首の痛み全体の見取り図と、施術より先に医療機関をおすすめしたい場面は首の痛みへの鍼|慢性頸部痛のエビデンスと受診の見極めガイドにまとめてあります。効くのか効かないのかという有効性は肩こりに鍼は効くのか|日本の試験でわかったことと限界の担当です。この記事が扱うのは頻度・回数・持続の3つだけです。
- 肩こりの鍼の頻度に、いちばん大きなデータは答えを出していない
- では「6回以上」という数字はどこから来たのか
- 頻度を無作為に振り分けた試験は、腰痛と胃の症状の2本だけだった
- 日本の肩こりで頻度を主題にした鍼の原著は、8名・対照群なしの2本
- 「2〜3日おき」「週1回以上」という目安の出どころをたどる
- 肩こりの鍼は1回でどれくらいもつのか|終わったあとに足す根拠はあるか
- 「何回まで」を数字で書いた文書を探したら、診療ガイドラインより先に支払いのルールが出てきた
- 現実に肩こりで鍼を何回受けているのか|日本の実測は中央値1回
- FAQ|肩こりへの鍼の頻度で鍼灸師によくある質問
- まとめ|肩こりへの鍼の頻度について、言えること・言えないこと
- 関連記事
- 参考文献
肩こりの鍼の頻度に、いちばん大きなデータは答えを出していない
まず、研究の側が「用量」と呼んでいるものを確認します。
2008年の提言では、鍼の用量は1回ごとの手技・使う鍼の数・そのとき患者に生じた感覚と反応と定義されています(White 2008)。「週何回か」は、この定義の中心にありません。少なくともこの提言の定義では、読者の関心と研究側の関心は最初からずれているわけです。
では頻度と効果の関係を調べた解析はないのか。あります。当サイトが確認した範囲では、最大規模のものです。
39試験・20,827名の個々の患者データを集めた解析(Vickers 2018)が、施術の特性と効果の大きさの関連をひとつずつ検討しています。1週あたりの施術頻度は、偽鍼と比べた試験で p=0.6、鍼を行わない群と比べた試験で p=0.3。鍼の本数も、1回の置鍼時間も、関連は出ていません。
抄録には、効果の大きさの違いは鍼のやり方ではなく対照群が何を受けたかで主に決まる、と書かれています。ただしこの解析の対象疾患に、肩こり(katakori)は含まれません。英語の shoulder pain は肩関節の痛みであって、肩こりではないからです。そして「関連が見いだされなかった」は、関連が無いことの証明でもありません。
この解析の全体像は39試験2万人の慢性疼痛と鍼灸|「1年後も持続」の出どころ【論文解説】に、対照で結論が変わる仕組みは鍼のエビデンスは比較対照で変わる|無治療比・偽鍼比・実薬比にまとめています。なお英語の shoulder pain 側にあたる肩関節の病態のうち、五十肩(肩関節周囲炎)への鍼は五十肩への鍼|肩関節周囲炎は自然に良くなるのか、鍼で何が変わるのかで扱っています。
エビデンスボックス① 「用量」の定義と、施術の特性ごとの解析結果(深く知りたい方向け・飛ばしてOK)
- White A, Cummings M, Barlas P, Cardini F, Filshie J, Foster NE, Lundeberg T, Stener-Victorin E, Witt C. Defining an adequate dose of acupuncture using a neurophysiological approach—a narrative review of the literature. Acupunct Med. 2008;26(2):111-120.(PMID 18591910/DOI 10.1136/aim.26.2.111)ナラティブレビュー(提言)。当サイトの確認=Europe PMC の抄録の生出力のみ。本文は未読。
- 逐語=”We propose the following definition of dose: the physical procedures applied in each session, using one or more needles, taking account of the patient’s resulting perception (sensory, affective and cognitive) and other responses (including motor).“(当サイトによる訳:用量について次の定義を提案する。すなわち、1回ごとに適用される物理的手技であり、1本以上の鍼を用い、その結果として生じた患者の知覚(感覚・情動・認知)とその他の反応(運動を含む)を考慮したものである。)
- 逐語=”Out of 47 recent systematic reviews, only six have applied some criteria for adequacy.“/”Research into what constitutes an adequate dose of acupuncture has long been neglected and is now urgent.“(当サイトによる訳:最近の47件の系統的レビューのうち、用量の適切さについて何らかの基準を適用していたのは6件だけだった。/鍼の適切な用量とは何かについての研究は長く放置されてきており、いまや急を要する。)
- 評釈:これは提言であって、用量の基準が確立したという意味ではありません。著者自身が「放置されてきた」と書いています。当サイトが引くのは「用量の定義の中心は1回ごとの刺激量であって、週あたりの回数ではない」という点だけです。47件中6件という内訳は本文にあるため、当サイトは内訳を書いていません。
- Vickers AJ, Vertosick EA, Lewith G, MacPherson H, Foster NE, Sherman KJ, Irnich D, Witt CM, Linde K; Acupuncture Trialists’ Collaboration. Acupuncture for Chronic Pain: Update of an Individual Patient Data Meta-Analysis. J Pain. 2018;19(5):455-474.(PMID 29198932/DOI 10.1016/j.jpain.2017.11.005/PMC5927830)個々の患者データを集めたメタ解析。39試験・20,827名。当サイトの確認=PMC全文の Table 6 と Discussion の該当箇所を2パスで取得し一致。
- Table 6(施術の特性と効果量の関連・単変量メタ回帰)の主な行:1週あたりの施術頻度=偽鍼対照 −0.06(95%CI −0.29, 0.18)p=0.6/無治療対照 0.21(−0.22, 0.64)p=0.3。最大施術回数(5回あたり・試験レベル)=−0.01(−0.23, 0.22)p=0.9/0.01(−0.12, 0.14)p=0.9。1回の時間(5分あたり)=0.06(−0.13, 0.25)p=0.5/−0.06(−0.25, 0.13)p=0.5。鍼の本数(5本あたり)=0.05(−0.17, 0.27)p=0.6/0.16(−0.05, 0.38)p=0.13。
- 抄録の逐語=”In secondary analyses, we found no obvious association between trial outcome and characteristics of acupuncture treatment, but effect sizes of acupuncture were associated with the type of control group”/”Variations in the effect size of acupuncture in different trials are driven predominantly by differences in treatments received by the control group rather than by differences in the characteristics of acupuncture treatment.“(当サイトによる訳:二次解析では、試験の結果と鍼施術の特性とのあいだに明らかな関連は見いだされなかったが、鍼の効果量は対照群の種類と関連していた。/異なる試験における鍼の効果量のばらつきは、鍼施術の特性の違いよりも、対照群が受けた治療の違いによって主に生じている。)
- 🛑 取り違えやすい行:Discussion の逐語=”The only clear finding was a dose-response effect to number of acupuncture treatments in trials with a no acupuncture control group (increase in effect size of 0.10 per five sessions, 95% CI −0.01, 0.21, p=0.001).”信頼区間が0をまたいでいるのに p=0.001 と印字されており、数値の内側が整合していません(同表の「柔軟な経穴処方 0.20(−0.21, 0.60)p=0.01」も同型)。2パスで同じ数値だったため読み取りの誤りではありません。当サイトはこれを効果量として引かず、「原著にそう印字されている」という事実の提示にとどめます。なお同じ回数の解析は、偽鍼対照の試験では p=0.7 です。この数値は本文には置いていません(切り取られると効果量として流通するため)。
- 限界:対象は非特異的筋骨格系疼痛・変形性関節症・慢性頭痛・肩の痛みで、肩こり(katakori)は含まれません。
shoulder painは肩関節の痛みであって肩こりではありません。Table 6 以外の解析について当サイトは全文を読んでいません。
では「6回以上」という数字はどこから来たのか
「最低6回は」という言い方を、どこかで聞いたことがあるはずです。よく引かれるのは2000年の系統的レビュー(複数の研究を決めた手順で集めて評価した論文)です(Ezzo 2000)。51試験を集め、6回以上の施術は肯定的な結果と有意に関連していたと書かれています。ただし、この言い方が日本でどう広まったのかは、当サイトは追跡できていません。
同じ抄録には、もう1つの関連が並んでいます。51試験の4分の3が低品質と評価され、低品質の試験ほど肯定的な結果と有意に関連していた。片方だけを取り出すのは、この論文を紹介したことになりません。そもそも試験どうしを見比べた観察であって、同じ人たちを6回と3回に振り分けた比較ではありません。
2025年には、頻度そのものを主題にしたスコーピングレビュー(研究の分布を地図のように描く手法)が出ました(Li 2025)。94試験を集めた結論は「普遍的な最適頻度は定義できない」。しかも著者は「低頻度の研究が明らかに不足している」とも書いています。
ここでいう低頻度は週3回以下。日本の週1〜2回は、この分類ではまるごと「研究が足りない側」です。ただし94試験に肩こりの試験が含まれるかは、抄録から確認できません。
2026年の慢性腰痛の用量反応解析でも、総回数・置鍼時間・頻度のいずれにも用量反応は検出されませんでした(Wang 2026)。著者の言葉は「専用の用量探索試験が必要だ」です。
「頻度に用量反応がある」と書いた文献も実在します。ただし対象は月経困難症で、同じ結論の3文目は「最適な用量の臨床推奨を出すには研究が不十分」です(3文の全文はボックス②)。用量とタイミングの議論は生理痛への鍼治療のタイミング|「月経前がよい」はどこまで言えるかでも扱いました。
エビデンスボックス② 「6回以上」の原典と、頻度をめぐる3つのレビュー(深く知りたい方向け・飛ばしてOK)
- Ezzo J, Berman B, Hadhazy VA, Jadad AR, Lao L, Singh BB. Is acupuncture effective for the treatment of chronic pain? A systematic review. Pain. 2000;86(3):217-225.(PMID 10812251/DOI 10.1016/s0304-3959(99)00304-8)系統的レビュー(統計的な統合なし)。MEDLINE(1966-99)+補完医療のデータベース2件+会議録69件/英語のみ・3か月超の疼痛。当サイトの確認=Europe PMC の抄録の生出力のみ。本文は未読。
- 逐語(同じ抄録の2文を並べます)=”Three fourths of the studies received a low-quality score and low-quality trials were significantly associated with positive results (P=0.05).” / “Six or more acupuncture treatments were significantly associated with positive outcomes (P=0.03) even after adjusting for study quality.“(当サイトによる訳:研究の4分の3が低品質の評点を受け、低品質の試験は肯定的な結果と有意に関連していた(P=0.05)。/6回以上の鍼施術は、研究の質を調整した後でも肯定的な結果と有意に関連していた(P=0.03)。)p値を本文に置かず、ここに置いています。
- 著者の結論(当サイトが引いたのは Conclusions の該当部分)=”…there is limited evidence that acupuncture is more effective than no treatment for chronic pain; and inconclusive evidence that acupuncture is more effective than placebo, sham acupuncture or standard care.”(当サイトによる訳:慢性疼痛について、鍼が無治療より有効であるという限定的なエビデンスがあり、鍼がプラセボ・偽鍼・標準的なケアより有効であるというエビデンスは結論に至らない。)
- 評釈:「6回以上」は試験と試験のあいだの観察であって、回数を割り付けた比較ではありません。したがって「6回やれば効く」「6回未満では効かない」とは書けません。2文は同じ抄録に並んでいるため、当サイトはこの2文を一緒に引くことを引用の最低条件としています。著者自身の結論は「限定的/結論に至らない」であり、この論文は鍼を支持した論文ではありません。
- Li G, Hu X, Xing J, Wang Y, Wang C, Yu W, Lian J, Cao H. The relationship between the treatment frequency and efficacy of acupuncture: A scoping review of clinical trials. Complement Ther Med. 2025;95:103304.(PMID 41177364/DOI 10.1016/j.ctim.2025.103304)9データベース・開始〜2025年2月15日・94試験。当サイトの確認=抄録の生出力のみ。本文はペイウォールで未読。
- 逐語=”Between-group differences (high-frequency: more than 3 sessions/week; low-frequency: no more than 3 sessions/week)“/”Efficacy enhancement did not depend solely on increased frequency, however. Instead, we found a “J-shaped curve” and plateau effects.“/”there is an obvious a paucity of low-frequency studies“(原文の表記のまま)/”Current evidence remains limited by methodological quality and parameter interaction complexity, precluding the definition of a universally “optimal frequency.”“(当サイトによる訳:群間の違い(高頻度=週3回超/低頻度=週3回以下)。/ただし有効性の向上は頻度の増加のみに依存していなかった。むしろ「J字カーブ」と頭打ちの効果が見られた。/低頻度の研究が明らかに不足している。/現在のエビデンスは方法論の質とパラメータ間の相互作用の複雑さによって制約されており、普遍的な「最適頻度」を定義することはできない。)
- 評釈:効果量を統合していないレビューです。「高頻度が優れていた」という記述は試験間の記述的な比較であり、割り付けた比較ではありません。「週3回超=高頻度」という区切りは著者の定義で、日本の週1〜2回はこの分類ではすべて低頻度側に入ります。94試験に肩こりの試験が含まれるかは、抄録から確認できません。したがって「肩こりでは高頻度がよい」とは書けません。
- Wang Y, Xiang J, Liu D, Zeng M, Shi Y, Yu S. Dose-Response Relationship Between Acupuncture Parameters and Pain Reduction in Chronic Non-Specific Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Pain Res. 2026;19:628211.(PMID 42670313/DOI 10.2147/jpr.s628211)12 RCT・1,155名・I²=85.3%(異質性が大きい)。統合効果 Hedges’ g=0.57(95%CI 0.19-0.95)。当サイトの確認=抄録の生出力のみ。本文は未読。
- 逐語=”Total sessions, needle retention time, and treatment frequency showed no significant dose-response relationships.“/”Dedicated dose-finding trials are required.“(当サイトによる訳:総施術回数・置鍼時間・施術頻度には、有意な用量反応関係は認められなかった。/専用の用量探索試験が必要である。)
- 評釈:対象は慢性の非特異的腰痛であって肩こりではありません。「6〜7週で頭打ち」という所見も抄録に出てきますが、著者自身が仮説を生み出す段階であり最も影響力の大きい1試験に感度がある、と明記しています。当サイトはその数値を本文に置いていません。
- Armour M, Smith CA. Treating primary dysmenorrhoea with acupuncture: a narrative review of the relationship between acupuncture ‘dose’ and menstrual pain outcomes. Acupunct Med. 2016;34(6):416-424.(PMID 27913451/DOI 10.1136/acupmed-2016-011110)ナラティブレビュー・英語文献のみ(2015年9月まで)。当サイトの確認=既存のリサーチノートで節ごとに確定した逐語(本文未取得)。
- Conclusions の3文すべて=”There appear to be relationships between treatment timing and mode of needle stimulation, and menstrual pain outcomes. Needle location, number of needles used and frequency of treatment show clear dose-response relationships with menstrual pain outcomes. Current research is insufficient to make definitive clinical recommendations regarding optimum dose parameters for treating primary dysmenorrhoea.“(当サイトによる訳:施術のタイミングおよび鍼の刺激方法と、月経痛のアウトカムのあいだには関係があるように見える。/刺鍼部位、使用する鍼の数、施術の頻度は、月経痛のアウトカムと明確な用量反応関係を示している。/現在の研究は、原発性月経困難症の治療における最適な用量パラメータについて確定的な臨床推奨を行うには不十分である。)
- 評釈:2文目だけを引くと「頻度に用量反応がある」という記事になり、3文目だけを引くと逆になります。3文をまとめて引くのが、この論文を引用するときの最低条件だと当サイトは考えています。対象は月経困難症であって肩こりではありません。
頻度を無作為に振り分けた試験は、腰痛と胃の症状の2本だけだった
ここまでは「集めて見比べた」研究です。では、同じ患者集団を別々の頻度に無作為に振り分けた試験はあるのか。見つけられたのは2本でした。ここで数えているのは「同じ集団を別々の頻度に振り分けた試験」だけです。
1本は慢性腰痛(Yuan 2009・30名)。週2回×5週と、週5回×2週の比較で、どの評価時点でも群間差はありませんでした。
ただし総回数は両群とも10回で同じです。変えたのは期間に対する詰め方だけで、「10回やるか5回やるか」の比較ではありません。
しかも1群15名の予備試験です。著者自身が、十分な検出力を備えた非劣性試験には66〜330名が必要だと書いています。差が無いことが示されたのではなく、差があったとしても検出できる大きさではなかった、ということです。
もう1本は胃の症状(機能性ディスペプシア・60名)で、週3回と週1回の比較です(Wang 2020)。良い方向の傾向は出ていますが、主要アウトカムである4週時点の症状消失には有意差がありません。有意になったのは8週以降の副次的な時点です。こちらは総回数も違うため、頻度と回数を切り分けられていません。
そして肩こり・頸部痛では、頻度や回数を振り分けた試験を1本も見つけられませんでした。「存在しない」ではありません。医中誌Webのような有料の日本語データベースを検索していないので、正確には「当サイトが調べた範囲では見つからなかった」です。
エビデンスボックス③ 頻度を無作為に振り分けた2つの試験(深く知りたい方向け・飛ばしてOK)
- Yuan J, Purepong N, Hunter RF, Kerr DP, Park J, Bradbury I, McDonough S. Different frequencies of acupuncture treatment for chronic low back pain: an assessor-blinded pilot randomised controlled trial. Complement Ther Med. 2009;17(3):131-140.(PMID 19398066/DOI 10.1016/j.ctim.2008.10.003)評価者盲検のパイロットRCT。n=30(低頻度群15=週2回×5週/高頻度群15=週5回×2週)。いずれも計10回。評価=ベースライン・2週・5週・3か月・1年(VAS/RMDQ/MYMOP-2/CSQ/PLC/シャトルウォーク/体幹側屈)。当サイトの確認=NCBI efetch の生テキストで抄録を逐語取得。本文は未読。
- 逐語=”There were no significant differences between the groups in terms of any of the outcomes, at each follow-up time point.“/”66-330 participants would be required for a fully powered non-inferiority trial.“/”the clinically important improvement in terms of pain, functional disability, quality of life, and SWT in both groups was achieved within the first two weeks, which was maintained at one year follow-up.”(当サイトによる訳:どの評価時点においても、いずれのアウトカムでも群間に有意差はなかった。/十分な検出力を備えた非劣性試験には66〜330名が必要となる。/痛み・機能障害・生活の質・シャトルウォークにおける臨床的に重要な改善は、両群とも最初の2週間で達成され、1年後の追跡でも維持されていた。)本文の「66〜330名が必要だと書いています」は、この2つ目の逐語を当サイトが日本語にしたものです。
fully powered non-inferiority trialをかみくだいた言い方は著者の言葉ではないため、かぎ括弧付きの逐語としては引いていません。 - 評釈:総回数が同じなので、これは「回数の比較」ではなく「同じ回数をどの期間に詰めるか」の比較です。また鍼を行わない対照群がありません。したがって「2週間で改善し1年維持された」は群の中の前後変化であり、自然な経過や平均への回帰と切り分けられません。実行可能性を確かめる試験であり、著者自身が本試験の必要数を明記しています。腰痛であって肩こりではありません。
- Wang Y, Hou YQ, Yang JW, Wang LQ, Shao JK, Zou X, Yang NN, Huang J, Liu CZ. Acupuncture of different treatment frequency in postprandial distress syndrome: A pilot randomized clinical trial. Neurogastroenterol Motil. 2020;32(6):e13812.(PMID 32048788/DOI 10.1111/nmo.13812)パイロットRCT。60名を無作為化し53名(88.3%)が完遂。群H=週3回・群L=週1回、いずれも4週間。当サイトの確認=efetch の生テキストで抄録を逐語取得。本文は未読。
- 逐語=”The complete elimination rate of core symptoms was 26.7% (95% CI 12.3%-45.9%) in group H and 10.0% (95% CI 2.1%-26.5%) in group L at week 4 (P = .095). There was a significant difference between H and group L at weeks 8, 12, and 16 (P = .038, .02, and .02).”/結論=”acupuncture, at 3 sessions per week, tended to improve symptoms and the quality of life among patients with PDS as compared to once a week.”(当サイトによる訳:4週時点における中核症状の完全消失率は群Hで26.7%、群Lで10.0%であった(P=.095)。8週・12週・16週では群Hと群Lのあいだに有意差があった。/週3回の鍼は、週1回と比べて、食後膨満症候群の患者の症状と生活の質を改善する傾向にあった。)p値を本文に置かず、ここに置いています。
- 評釈:主要アウトカムは有意ではありません。「週3回のほうが効いた」と書くと、主要アウトカムが陰性だったことを隠す紹介になります。総回数も違う(週3回×4週=約12回 vs 週1回×4週=約4回)ため、頻度と総回数を分離できていません。著者結論も「傾向」です。疾患は機能性ディスペプシアで、肩こりとは無関係です。
- 🛑 肩こり・頸部痛での検索結果:PubMed/Europe PMC/J-STAGE で探した範囲では、頻度または回数を無作為に振り分けた試験は見つかりませんでした(検索日 2026年9月8日)。医中誌Web(有料)・CENTRAL・CiNii は検索していません。したがって「存在しない」ではなく「当サイトが上記の範囲で見つけられなかった」です。
日本の肩こりで頻度を主題にした鍼の原著は、8名・対照群なしの2本
頻度を振り分けた比較は見つかりませんでした。では日本には何もないのか。
2本あります。しかも1本は、副題が「治療頻度を考慮した検討」です(林 2016)。頸と肩上部のこりを1年以上自覚している8名に、低周波鍼通電療法(刺した鍼に低い周波数の電気を流す方法)を行った研究です。方法の記述はこうです。
EAT は1週間に2回(2〜3日に1回の頻度)、2週間で合計4回行った。
(出所:林 2016・Ⅱ.方法。EAT=低周波鍼通電療法)
当サイトが確認できた日本語の文献のなかで、「2〜3日に1回」という間隔を設計として明示しているのはこの1本だけです。
結果は4つの数字で追えます。こりの強さ(VAS・線に自分で印をつける物差し・mm)は開始前50.5 → 終了時23.1 → 終了7日後39.3 → 14日後48.5。有意差が付いたのは治療期間の前後だけで、ほかの測定間には差がありません。
著者は考察で、肯定と限界を続けて書いています。段落の後半を引きます。
(前略)……したがって、定期的な鍼治療は肩こりの軽減に寄与する可能性がある。しかし、本研究は先行研究と同様、治療期間終了後には元の値に回復した。今後は、治療効果を維持できるセルフケア法などを考案し、その影響を検討する必要がある。
(出所:林 2016・Ⅳ.考察 1.肩こりの程度。段落の全文はエビデンスボックス④。原文にある引用文献番号は落としています)
肯定側と限界が、同じ段落に並んでいます。当サイトは片方だけを引きません。
もう1本は、その前段です(林 2015)。1回だけ施術して7日間追いかけた報告で、結語は「各測定項目において持続的な影響は認められなかった」。考察には「治療直後に効果が認められた場合でも、数日のうちに元に戻ってしまうという経過は臨床の場面で認められるものと同様の結果である」とあります。臨床実感と一致することを、著者自身が書いているわけです。
限界は同じ段落に置きます。2本とも8名、対照群なし、被験者に理療科の学生や研修生が含まれています。比べる相手がいないため、自然な経過や期待による変化を切り分けられません。読むべきは「鍼が効いた」ではなく、頻度を主題に据えた設計と、そこで観察された時間の形です。
図解:肩こりに対する低周波鍼通電療法について、週2回×2週の計4回を行った研究と、1回のみを行った研究で報告されたこりの強さ(VAS)の推移を、上下に並べた棒グラフ
いずれも8名・対照群なしの研究です。数値はこりの程度(VAS・mm)の平均値です。
模式図です。2本はいずれも n=8・対照群なしで、被験者に理療科の学生や研修生を含みます。比べる相手がいないため、自然な経過や期待による変化を切り分けられず、バーの長短を「効いた・効かなかった」と読むことはできません。上の4本は治療期間の前後のみ有意差があり、ほかの測定間には有意差がありません。下は各測定項目間に有意差が報告されていません。下の研究は10時点を測っていますが、図では5時点だけを抜き出しています(全10時点と標準偏差はエビデンスボックス④)。2本は測定の時点も項目も違うため、上下を横に比べることはできません。圧痛の値と有意性は、論文の内部で記述が食い違っているため図に入れていません。出所=林 2016(日本東洋医学系物理療法学会誌 41(2):73-79)/林 2015(同 40(2):101-107)。図は当サイトが原著の数値から作図したものです。
エビデンスボックス④ 日本の2本(林 2016/林 2015)の設計・全数値・限界(深く知りたい方向け・飛ばしてOK)
- 林健太朗, 徳竹忠司, 濱田淳, 宮本俊和. 頸・肩上部の肩こりに対する低周波鍼通電療法の効果-治療頻度を考慮した検討-. 日本東洋医学系物理療法学会誌. 2016;41(2):73-79.(DOI 10.32255/jjsop.41.2_73/J-STAGE 無料全文7ページを確認)原著・単群の前後比較(対照群なし)。研究期間 2011年6〜12月。利益相反は無いと記載されています(p.79)。
- 対象=頸・肩上部に1年以上肩こりを自覚する8名(男性3・女性5/30.9±5.5歳)。募集=施設利用者、大学院生、理療科教員養成施設の学生および理療研修生。除外=頸部疾患・肩関節疾患が疑われる者、上肢の痛みやしびれ感がある者、高血圧の基準を満たす者、肩こりに対して治療を受けている者。
- 介入=腹臥位。長さ50mm・太さ0.2mmの単回使用鍼。刺鍼部位は自覚の強い頸部外側または後側と肩上部の僧帽筋の左右2部位ずつ計4部位で、押圧・把握により愁訴が再現した部位。刺入深度は筋内に達する深さ。周波数1Hz・通電15分間。
- 頻度の逐語(Ⅱ.方法)=「EAT は1週間に2回(2〜3日に1回の頻度)、2週間で合計4回行った。」測定=治療開始前・治療期間終了時・終了後7日・14日の計4回、同一測定者。統計=一元配置分散分析、有意ならダネット法、有意水準5%。
- 結果(mean±SD・n=8):肩こりの程度(VAS, mm)50.5±18.0 → 23.1±15.4 → 39.3±19.1 → 48.5±18.0(治療期間前後のみ有意、他の測定間はすべて有意差なし)/頸部側屈時の伸張痛 48.3±22.8 → 23.5±12.3 → 36.6±21.1 → 39.4±22.5(同様)/筋硬度(肩井穴相当)51.5±3.7 → 48.5±3.2 → 50.9±3.0 → 50.5±3.5(各測定間に有意差なし)/筋硬度(肩外兪穴相当)53.1±5.6 → 52.1±5.8 → 54.0±4.4 → 53.5±4.9(有意差なし)/乳様突起−肩峰間距離 4.2±1.2 → 3.9±1.4 → 4.3±1.1 → 4.1±1.3 cm(有意差なし)。
- 🛑 考察の逐語(Ⅳ.考察 1.肩こりの程度・段落の全文)=「そこで、本研究では EAT の治療頻度を考慮した結果、治療期間前後で VAS の有意な低下を認めた。この結果から、EAT の影響が軽減してくる2、3日間隔で治療することにより肩こりの程度が軽減していくことが示唆された。また、先行研究においても、週1回4週間の鍼治療により、治療毎の VAS の低下、治療開始期間前後での VAS の低下が報告されている。したがって、定期的な鍼治療は肩こりの軽減に寄与する可能性がある。しかし、本研究は先行研究と同様、治療期間終了後には元の値に回復した。今後は、治療効果を維持できるセルフケア法などを考案し、その影響を検討する必要がある。」原文にはこのうち3か所に引用文献番号(14-16/14,16/15)が付いていますが、当サイトは番号を落として引いています。
- 🛑 この段落を全文で置いている理由:段落は「肯定 → しかし → 限界」の順に書かれています。逆接の「しかし」から引き始めると、それが受けている肯定側の結論文(「したがって、定期的な鍼治療は…」)が落ちます。当サイトの初稿はこの型の脱落を起こしたため、v2 では段落の全文をここに置き、本文では省略記号を付けて後半を引く形に改めました。
- 緒言の逐語(Ⅰ.緒言・該当部分の全文)=「これまでの肩こりに対する鍼治療の研究では、単回の鍼治療前後の影響を検討している報告が多い。しかし、実際の臨床場面のように症状の程度や罹病期間により治療頻度を考慮し、ある治療期間における鍼治療の影響を検討した報告は少なく、EAT について検討した報告はない。筆者らは、これまでに1回の EAT による持続的な影響を治療終了後7日まで検討し、肩こりの程度の VAS は治療直前と比較して2、3日後まで低い値を維持する結果を得た。さらに、鍼治療の効果は繰り返しの治療後に長期に及ぶ傾向があり、週1回以上の治療はより効果的な可能性があるとの報告がある。そこで本研究では、肩こりに対する EAT の影響を明らかにするために、治療間隔を2、3日間隔とし、1週間に2回の頻度で2週間の治療期間を設定し、肩こりの自覚的所見、他覚的所見を指標に検討した。」
- 🛑 当サイトが書かない項目:圧痛の有意性とp値。Ⅳ.考察 4.圧痛の程度は各測定項目で有意差は認められなかったと記述している一方、図4の凡例には治療期間前後で有意差が認められたとあり、論文の内部で食い違っているためです。食い違いを論じる箇所であるため、この2か所はかぎ括弧付きの逐語ではなく記述として示しています。
- 林健太朗, 徳竹忠司, 濱田淳, 宮本俊和. 頸・肩上部の肩こりに対する低周波鍼通電療法の影響. 日本東洋医学系物理療法学会誌. 2015;40(2):101-107.(DOI 10.32255/jjsop.40.2_101/J-STAGE 無料全文7ページを確認)報告・単群の前後比較(対照群なし)。研究期間 2010年5月〜2011年1月。JSPS科研費 24243079。
- 設計=頸・肩上部に肩こりを自覚する成人8名(男性5・女性3/29.8±7.2歳)。腹臥位・50mm・0.2mm・筋内に達する深さ・1Hz・15分間の通電を1回だけ。刺鍼は肩こり感の強い側の頸・肩上部の筋2か所(1か所は肩上部の筋)。測定は治療直前・直後・治療後7日に同一検査者が実施し、治療日夜から6日までは肩こり日誌に自己記入。
- 結果(肩こりの程度 VAS, mm・mean±SD・n=8)=治療直前 49.1±16.9/直後 26.4±26.0/治療日夜 35.4±29.3/1日 25.9±13.4/2日 30.0±20.1/3日 39.9±21.7/4日 46.1±28.3/5日 36.3±21.9/6日 34.8±17.9/7日 40.0±25.9。本文の逐語=「各測定項目間に有意差は認められなかった。」筋硬度・乳様突起−肩峰間距離・伸張痛・圧痛も、いずれも有意差なし。
- 結語の逐語(Ⅴ.結語)=「各測定項目において持続的な影響は認められなかった。」考察の逐語(Ⅳ.考察 1.肩こりの程度 2))=「治療直後に効果が認められた場合でも、数日のうちに元に戻ってしまうという経過は臨床の場面で認められるものと同様の結果である。」
- 評釈と限界:2本とも n=8・対照群なし・非盲検・単一施設で、被験者に理療科の学生や研修生が含まれます。したがって効果の根拠にはなりません。当サイトがこの2本を引く理由は、①「2〜3日に1回」という間隔を設計として明示した唯一の日本語文献であること、②終了後の時間経過を測っていること、の2点です。数字の上下を「効いた・効かなかった」と読み替えないでください。なお、これらの逐語は原典のページを独立に2度取得して一致を確認したものです。漢字の異同や読点については原典をご参照ください。
「2〜3日おき」「週1回以上」という目安の出どころをたどる
では、林 2016 はなぜ「2〜3日に1回」を選んだのか。緒言に書いてあります。
図解:肩こりの鍼で「2〜3日おき」「週1回以上」という目安が、どの文献からどの文献へ引き継がれたかを5段で示した系譜図
当サイトが林 2016 の緒言と参考文献リストからたどった5段です。EAT=低周波鍼通電療法。
- 1
Nabeta & Kawakita 2002|34名・週1回×3週・偽鍼対照
“The effect tended to be prolonged after repeated treatment.”=傾向の記述同じ抄録の結論=最終治療の9日後に偽鍼との差を示せなかった - 2
林 2015|8名・1回のみ・7日追跡
結語=各測定項目において持続的な影響は認められなかった - 3
林 2016 の緒言
1段目を「鍼治療の効果は繰り返しの治療後に長期に及ぶ傾向があり、週1回以上の治療はより効果的な可能性があるとの報告がある」と紹介(文献13)2段目を「肩こりの程度の VAS は治療直前と比較して2、3日後まで低い値を維持する結果を得た」と要約(文献17)→ 治療間隔を2、3日間隔とし、1週間に2回の頻度で2週間の治療期間を設定 - 4
林 2016 の結果と考察|8名・対照群なし
VAS 50.5 → 23.1 →(7日)39.3 →(14日)48.5考察=この結果から、EAT の影響が軽減してくる2、3日間隔で治療することにより肩こりの程度が軽減していくことが示唆された同じ考察=したがって、定期的な鍼治療は肩こりの軽減に寄与する可能性がある同じ考察=しかし、本研究は先行研究と同様、治療期間終了後には元の値に回復した - 5
林 2025(総説)
治療効果としては、鍼治療直後および鍼治療後数日間の自覚症状の軽減…に関する効果が報告されているしかし、治療期間終了後の長期の持続効果に関する報告はほとんどないのが現状である鍼通電療法単独では短期的な肩こりの程度の軽減に留まる可能性が高く、他治療法やセルフケアを併用することによってより持続的な症状の軽減状態を維持できる可能性が推測された
模式図です。当サイトがしているのは、記述を並べることだけです。4段目・5段目のとおり、肯定側の記述と限界の記述は同じ考察・同じ節に並んでいます。4段目の考察は8名・対照群なしの研究についての著者の推論であり、当サイトが施術の設計として提示するものではありません。3段目の要約と2段目の結語は食い違っていますが、2015年の報告の数値には治療直前より低い日があり、要約は数値上の傾向を述べたものとも読めます。3段目の引用の対応(文献13=Nabeta & Kawakita 2002/文献17=林 2015)は、当サイトが林 2016 の参考文献リストで確認したものです。日本語の逐語は原典のページを独立に2度取得して一致を確認したもので、原文にある引用文献番号は落としています。漢字の異同や読点については原典をご参照ください。出所=Nabeta & Kawakita 2002/林 2015/林 2016/林 2025。図は当サイトが原著と総説の記述から作図したものです。
たどると5段になります
出発点は2002年の試験(Nabeta 2002・34名・週1回×3週・偽鍼対照)。抄録に The effect tended to be prolonged after repeated treatment.(当サイトによる訳:効果は繰り返しの治療のあとで持続する傾向があった)という一文があります。傾向の記述であって、頻度を振り分けた比較ではありません。同じ抄録の結論は、最終治療の9日後に偽鍼との差を示せなかった、です。
2段目が林 2015。結語は「各測定項目において持続的な影響は認められなかった」でした。
3段目が林 2016 の緒言です。1段目を「鍼治療の効果は繰り返しの治療後に長期に及ぶ傾向があり、週1回以上の治療はより効果的な可能性があるとの報告がある」と紹介し、2段目を「肩こりの程度の VAS は治療直前と比較して2、3日後まで低い値を維持する結果を得た」と要約して、そこから「2、3日間隔・週2回」という設計を組んでいます。
4段目はその結果です。VAS は終了時に下がり、14日後にはほぼ開始前の値でした。著者は考察の冒頭で、自分の頻度設計についてこう書いています。
そこで、本研究では EAT の治療頻度を考慮した結果、治療期間前後で VAS の有意な低下を認めた。この結果から、EAT の影響が軽減してくる2、3日間隔で治療することにより肩こりの程度が軽減していくことが示唆された。
(出所:林 2016・Ⅳ.考察 1.肩こりの程度の冒頭2文。段落の全文はエビデンスボックス④。原文にある引用文献番号は落としています)
8名・対照群なしの研究についての、著者自身の推論です。当サイトはこれを施術の設計として提示しません。
5段目が2025年の総説(林 2025)です。持続については、2文続きでこう書かれています。
治療効果としては、鍼治療直後および鍼治療後数日間の自覚症状の軽減、円皮鍼では貼付後から継続貼付期間中の自覚症状の軽減に関する効果が報告されている。しかし、治療期間終了後の長期の持続効果に関する報告はほとんどないのが現状である。
(出所:林 2025・Ⅵ.日本国内における肩こりに対する鍼治療の研究)
肯定側の記述も、同じ考察に置かれています
林 2016 の考察は、先ほど引いた箇所の直前で「したがって、定期的な鍼治療は肩こりの軽減に寄与する可能性がある。」と述べています。著者は肯定と限界を続けて書いており、当サイトは片方だけを引きません。
2025年の総説も、鍼通電療法だけで終わらせない形を示しています。
自覚的な肩こりの程度については、鍼通電療法単独では短期的な肩こりの程度の軽減に留まる可能性が高く、他治療法やセルフケアを併用することによってより持続的な症状の軽減状態を維持できる可能性が推測された。
(出所:林 2025・Ⅶ.肩こりに対する鍼通電療法)
当サイトがしているのは、記述を並べることだけです。3段目の要約と2段目の結語は食い違っていますが、2015年の報告の数値には治療直前より低い日があり、要約は数値上の傾向を述べたものとも読めます(照合はボックス⑤)。
つまり「2〜3日おき」「週1回以上」は、根拠がないわけではありません。ただしたどると、34名で偽鍼との差を示せなかった試験の「傾向」の記述と、8名で有意差が出なかった報告に行き着きます。
エビデンスボックス⑤ 「2〜3日おき」の系譜と、引用の対応関係(深く知りたい方向け・飛ばしてOK)
- ① Nabeta T, Kawakita K. Relief of chronic neck and shoulder pain by manual acupuncture to tender points—a sham-controlled randomized trial. Complement Ther Med. 2002;10(4):217-222.(PMID 12594972/DOI 10.1016/s0965-2299(02)00082-1)鍼灸学校のボランティア34名。圧痛点への刺鍼 vs 刺入しない偽鍼、週1回×3週。VASは初回刺鍼前から1か月間、2日おきに測定。当サイトの確認=抄録の逐語のみ(本文は有料で未読)。
- 逐語=”The effect tended to be prolonged after repeated treatment.“/”this study was unable to demonstrate any long-term superiority over sham acupuncture.“/”There was no statistical difference of VAS scores between acupuncture and sham groups 9 days after the last treatment.”(当サイトによる訳:効果は繰り返しの治療のあとで持続する傾向があった。/本研究は偽鍼に対する長期的な優位性を示すことができなかった。/最終治療の9日後、鍼群と偽鍼群のVASに統計的な差はなかった。)
- ② 林 2015(書誌はボックス④)=結語「各測定項目において持続的な影響は認められなかった。」
- ③ 林 2016 の緒言(Ⅰ.緒言)=該当部分の全文はボックス④に置いています。系譜に直接かかる2文は「筆者らは、これまでに1回の EAT による持続的な影響を治療終了後7日まで検討し、肩こりの程度の VAS は治療直前と比較して2、3日後まで低い値を維持する結果を得た。さらに、鍼治療の効果は繰り返しの治療後に長期に及ぶ傾向があり、週1回以上の治療はより効果的な可能性があるとの報告がある。」で、設計を述べた文は「そこで本研究では、肩こりに対する EAT の影響を明らかにするために、治療間隔を2、3日間隔とし、1週間に2回の頻度で2週間の治療期間を設定し、肩こりの自覚的所見、他覚的所見を指標に検討した。」です。
- 引用の対応関係(当サイトが林 2016 の参考文献リストで確認):「週1回以上の治療はより効果的な可能性がある」の出典は文献13=Nabeta & Kawakita 2002(上記①)、「2、3日後まで低い値を維持する結果を得た」の出典は文献17=林 2015(上記②)、「本研究は先行研究と同様」の先行研究は文献15=伊藤ら 2006です。
- ④ 林 2016 の結果と考察=VAS 50.5 → 23.1 →(7日)39.3 →(14日)48.5。考察は「肯定 → しかし → 限界」の順で、段落の全文はボックス④にあります。本記事の主題に直結する文は「この結果から、EAT の影響が軽減してくる2、3日間隔で治療することにより肩こりの程度が軽減していくことが示唆された。」と「したがって、定期的な鍼治療は肩こりの軽減に寄与する可能性がある。」の2つで、限界の文は「しかし、本研究は先行研究と同様、治療期間終了後には元の値に回復した。」です。
- ⑤ 林健太朗. 肩こりに対する鍼通電療法の臨床とそのエビデンス. 日本東洋医学系物理療法学会誌. 2025;50(2):33-39.(DOI 10.32255/jjsop.50.2_33/J-STAGE 無料全文を確認)逐語はいずれも2文セットで引いています。Ⅵ節(p.34-35)=「治療効果としては、鍼治療直後および鍼治療後数日間の自覚症状の軽減、円皮鍼では貼付後から継続貼付期間中の自覚症状の軽減に関する効果が報告されている。しかし、治療期間終了後の長期の持続効果に関する報告はほとんどないのが現状である。」/Ⅶ節(p.35)=「自覚的な肩こりの程度については、鍼通電療法単独では短期的な肩こりの程度の軽減に留まる可能性が高く、他治療法やセルフケアを併用することによってより持続的な症状の軽減状態を維持できる可能性が推測された。」
- ⑤の評釈:これは総説であって原著ではありません。当サイトが本文で使っている原著の数値は、この総説の記述からではなく、原著2本(ボックス④)から直接確認したものです。なおこの総説自身も、林 2015 を「治療後2日間は低い水準であった」、林 2016 を「治療期間終了後に有意に低下したが、治療後1週・2週の時点では有意な差は認められなかった」と記述しており、有意差が消えたところまで書いています。(総説の図3・図4 は林 2015・林 2016 からの転載です。)
- 🛑 当サイトの評釈(ここが本記事でいちばん慎重に書いた箇所です):③の要約と、②自身の結語は食い違っています。②は要旨・本文・結語のいずれも「有意差は認められなかった」「持続的な影響は認められなかった」です。当サイトが書けるのは、この2つを並べて示すところまでです。②の数値を見ると1日後25.9・2日後30.0は治療直前49.1より低く、③の要約は数値上の傾向を述べたものとも読めます。したがって当サイトは、著者の意図についての評価を書きません。
- 🛑 日本語の逐語の作法(v2 で明文化):日本語の論文の考察は「肯定 → しかし → 限界」の順に書かれることが多く、逆接から引き始めると肯定側が落ちます。当サイトの初稿は、林 2016 の考察・林 2025 のⅥ節・Ⅶ節の3か所で同じ脱落を起こしました。v2 では、①逆接から引用を始めない(始めるときは逆接が受けている文を一緒に引く)②文や段落の途中から引くときは省略記号を付ける ③連用中止(「〜が高く」など)で引用を終えない、の3点を守っています。
肩こりの鍼は1回でどれくらいもつのか|終わったあとに足す根拠はあるか
日本には、患者に直接聞いた数字があります。肩こりを主訴に鍼灸院を初診で受けた61名の調査で、「効果の持続日数」は平均5.0日、標準偏差6.2日でした(宮﨑 2022)。
ここは丸めないでください。標準偏差が平均より大きい=人によってまるで違う、という分布です。「平均5日もちます」という説明は、この調査が言えることを超えています。
見落としやすいのは、この数字の取り方です。持続日数は、研究者が測ったのではなく患者本人が申告しています。少なくともこの調査が見ている範囲では、「どのくらいもったか」は本人にしか答えられない項目として扱われていました。
期間を伸ばした試験も同じ方向です。著者が1か月後に元の値まで回復したと記載した試験があり(伊藤 2006・TrP群 64.1→44.3→51.1)、職域の試験では著者自身が「数日で元に戻った」と限界に書いています(Minakawa 2024)。この2本の設計と数値そのものは肩こりに鍼は効くのか|日本の試験でわかったことと限界で扱っています。
一方で「1年後も持続」と読める報告もありますが、中身が違います。慢性疼痛の持続性を解析した研究(MacPherson 2017)では、鍼を行わない群と比べた場合は12か月後も約9割が維持されると推定され、偽鍼と比べた場合は約半分に減衰することが示唆されています。片方だけを引くと逆向きの記事になります。
対象疾患・対照・追跡の長さが違うので、同じ「持続」として並べられません。効果が大きく出る側の仕組みは待機リスト対照とは|鍼の効果が大きく出る5つの仕組みに、対照別に結論が変わる首の痛みのエビデンス全体は首の痛みへの鍼|慢性頸部痛のエビデンスと受診の見極めガイドが扱っています。
では、症状が落ち着いたあとに定期的な施術を足すとどうなるか。これを無作為に振り分けた鍼の試験は、当サイトが見つけた範囲で1本だけです(Molassiotis 2013)。頻度を振り分けた試験ではなく、一連の施術のあとに追加を足すかどうかを割り付けた試験なので、前の章で数えた2本とは別の枠組みです。
週1回×4回の追加を割り付けた結果は、維持のための鍼は最初の施術所での一連の施術のあとに観察された以上の重要な改善をもたらさなかった、という趣旨です。ただし対象は乳がんに関連する疲労で、肩こりでも痛みでもありません。肩こりでは行われていません。
エビデンスボックス⑥ 持続日数・対照別の減衰・維持のための追加施術(深く知りたい方向け・飛ばしてOK)
- 宮崎彰吾, 皆川陽一, 沢崎健太, 飯村佳織, 脇英彰, 吉田成仁. 肩こりを主訴として鍼療法を受けたオフィスワーカーの満足度に影響を及ぼす因子. 全日本鍼灸学会雑誌. 2022;72(1):47-67.(DOI 10.3777/jjsam.72.47/J-STAGE 無料PDFの1〜17ページを確認)観察(記述的)研究。下記 Minakawa 2023 のRCT介入群のうち、1番の健康問題が「首や肩のこり」で「はり師」の施術を受けた初診61名(再診は除外)。倫理承認 30-049。
- 表5(N=61・mean±SD):満足度(0〜10)7.9±2.0/肩こりの程度 受療前 7.9±1.9 → 受療後 5.7±2.3/健康改善度 −2.2±2.4/効果の持続日数 5.0±6.2 日(満足度との相関 r=0.27, p=0.04)/支払意思額 5,002±2,250円/治療技術の評価 8.4±1.7/信頼度 8.4±1.8。有害事象=眠気7(11.5%)/倦怠感4(6.6%)/施術部位の痛み2(3.3%)/その他1(1.6%)。
- 🛑 評釈と限界:持続日数は標準偏差(6.2日)が平均(5.0日)より大きく、分布が極端に偏っています。したがって「平均5日もつ」と丸めることはできません。患者の自己申告であり、測定の尺度は示されていません。またこれは「初診1回」を受けたあとの値であって、通い続けた結果ではありません。RCTから非無作為に抜き出した部分集団61名の記述研究であり、効果の証拠ではありません。当サイトが書かない数値=「置鍼(円皮鍼を含む)の最長時間 24.2±141.7分」(標準偏差が平均の約6倍)と「継続受療意向」の実数(表の記載が対象者数と整合しないため、割合83.3%のみ、整合しない旨を添えて扱います)。
- 伊藤和憲, 南波利宗, 西田麗代, 河本真, 越智秀樹, 北小路博司. 大学生の肩こり被験者を対象にしたトリガーポイント鍼治療の試み. 全日本鍼灸学会雑誌. 2006;56(2):150-157.(DOI 10.3777/jjsam.56.150)週1回×4回・3群。VAS=TrP群 64.1→44.3→(1か月後)51.1/経穴群 61.1→59.2→57.8/偽鍼群 62.1→62.1→59.6。著者は1か月後に元の値まで回復したと記載。最終解析は各群9名。
- 伊藤 2006 の評釈:最終解析は各群9名で、対象は大学生です。経穴群・偽鍼群にも小さな低下があり、群内の推移から鍼の効果を切り分けられる設計ではありません。当サイトはこの研究を「1か月後の値」という持続の1点にのみ使っています。「1か月後に元の値まで回復した」は著者の記述であって、当サイトの事実認定ではありません(本記事が載せている TrP群の数値 64.1→44.3→51.1 は、開始前まで戻り切っていません)。試験の設計と数値そのものは子1(肩こりに鍼は効くのか)の担当です。
- Minakawa Y, Miyazaki S, Waki H, Akimoto Y, Itoh K. Clinical effectiveness of trigger point acupuncture on chronic neck and shoulder pain (katakori) with work productivity loss in office workers: a randomized clinical trial. J Occup Health. 2024;66(1):uiad016.(PMID 38273431/DOI 10.1093/joccuh/uiad016)20名・4週・週1回・最大4回(4回受けた者6名/3回3名)。偽鍼群なし・盲検なし。限界の逐語=”none of the patients experienced complete disappearance of neck and shoulder pain (katakori) after TrPA”/”the intensity of neck and shoulder pain (katakori) returned to normal after a few days of acupuncture”(当サイトによる訳:トリガーポイント鍼のあとに頸肩のこりが完全に消失した患者は1人もいなかった。/頸肩のこりの強さは、鍼から数日後には元に戻った。)
- Minakawa 2024 の評釈:20名・非盲検・偽鍼群なしで、4回受けた者は6名です。当サイトはこの研究を「数日で戻った」という著者自身の限界の記述にのみ使っています。職域RCTとしての設計・アウトカムは子1の担当です。
- MacPherson H, Vertosick EA, Foster NE, Lewith G, Linde K, Sherman KJ, Witt CM, Vickers AJ; Acupuncture Trialists’ Collaboration. The persistence of the effects of acupuncture after a course of treatment: a meta-analysis of patients with chronic pain. Pain. 2017;158(5):784-793.(PMID 27764035/DOI 10.1097/j.pain.0000000000000747)29試験・17,922名(長期追跡は20試験・6,376名)。当サイトの確認=抄録の逐語のみ(全文未読)。
- 逐語=”In trials comparing acupuncture to no acupuncture control (wait-list, usual care, etc), effect sizes diminished by a nonsignificant 0.011 SD per 3 months (95% CI: -0.014 to 0.037, P = 0.4)… approximately 90% of the benefit of acupuncture relative to controls would be sustained at 12 months. For trials comparing acupuncture to sham, we observed a reduction in effect size of 0.025 SD per 3 months (95% CI: 0.000-0.050, P = 0.050), suggesting approximately a 50% diminution at 12 months.“/”Patients can generally be reassured that treatment effects persist.“(当サイトによる訳:鍼と無施術対照(待機リスト、通常ケア等)を比べた試験では、効果量は3か月あたり0.011SDという有意でない程度に減少した…対照と比べた鍼の便益の約90%が12か月時点で維持されると推定される。/鍼と偽鍼を比べた試験では、3か月あたり0.025SDの効果量の減少が観察され、12か月時点で約50%の減衰が示唆される。/患者には、治療効果が持続すると概ね安心して伝えることができる。)原文は
would be sustained(推定)・suggesting(示唆)であり、当サイトは本文でも断定形にしていません。 - 🛑 評釈:最後の1文は無治療対照側の推定に立った文です。単独で引くと誤誘導になるため、当サイトは偽鍼比の約50%減衰と同じ場所に置くことを引用の条件としています。対象疾患に肩こり(katakori)は含まれません。この結論(12か月維持)と、日本の肩こりの資料(数日で戻る)は正面からぶつかります。当サイトはどちらかを採らず、「測っているものが違う」と書くところまでにとどめます。持続性そのものの解説は親記事(首の痛みへの鍼)の担当です。
- Molassiotis A, Bardy J, Finnegan-John J, Mackereth P, Ryder WD, Filshie J, Ream E, Eaton D, Richardson A. A randomized, controlled trial of acupuncture self-needling as maintenance therapy for cancer-related fatigue after therapist-delivered acupuncture. Ann Oncol. 2013;24(6):1645-1652.(PMID 23436910/DOI 10.1093/annonc/mdt034/登録 NCT00957112)乳がん患者197名を再無作為化(施術者施行65/自己施行67/追加なし65)。追加は週1回×4回。当サイトの確認=efetch の生テキストで抄録を逐語取得(本文未読)。
- 逐語=”Maintenance acupuncture is advocated by clinicians after successful clinic-based acupuncture.“/”A non-significant trend in improving fatigue was observed at the end of 4 weeks in the combined acupuncture arms (P = 0.07).”/”However, overall, maintenance acupuncture did not yield important improvements beyond those observed after an initial clinic-based course of acupuncture.“(当サイトによる訳:維持のための鍼は、施術所での鍼が成功したあとに臨床家によって推奨されている。/4週の終了時点で、鍼を行った2群を合わせた解析では疲労の改善に有意でない傾向が観察された(P=0.07)。/しかし全体として、維持のための鍼は、最初の施術所での一連の施術のあとに観察された以上の重要な改善をもたらさなかった。)本文・FAQ・まとめで使っている日本語は、いずれもこの3つ目の訳に合わせています。
- 🛑 評釈:対象は乳がんに関連する疲労であって、肩こりでも疼痛でもありません。したがって「維持のための施術は不要」と一般化できません。追加された量も週1回×4回だけで、それ以上は検証されていません。介入の1つに自己施行の刺鍼が含まれますが、日本ではあはき師法上の扱いが異なるため、当サイトは手技として紹介しません。この構図でむしろ重要なのは、「臨床側が推奨してきたことを研究側が検証した」という背景の記述のほうです。
「何回まで」を数字で書いた文書を探したら、診療ガイドラインより先に支払いのルールが出てきた
「ガイドラインを見れば回数が書いてあるだろう」。当サイトもそう思って探しました。
当サイトが探した範囲では、肩こりの回数の目安を数字で書いた診療ガイドラインは見つかりませんでした。(『慢性疼痛診療ガイドライン』2021 の肩こりの章は、当サイトが本文を確認できていません。記載が無いという意味ではありません。)
鍼を推奨している片頭痛のガイドライン18件を調べた研究では、施術頻度を明記していたのは4件(22.2%)だけでした(Cui 2025)。片頭痛のガイドラインの話です。肩こりのガイドラインについては何も言えません。
数字が書かれていたのは、米国メディケアの給付決定でした
回数が数字で書かれていたのは、別の種類の文書でした。米国メディケアの給付決定(CMS NCD 30.3.3)です。90日で12回まで、改善を示していればさらに8回、年間20回まで。そして次の一文が入っています。
Treatment must be discontinued if the patient is not improving or is regressing.
(当サイトによる訳:患者が改善していない、または悪化している場合は、施術を中止しなければならない。/出所:CMS NCD 30.3.3・Nationally Covered Indications)
これは慢性腰痛の給付ルールであって、肩こりの推奨ではありません。日本の制度とも関係がありません。回数の根拠も用量探索ではなく給付の設計です。それでも、この1文は回数の目安より実務的に重いはずです。
英国NICEのガイドライン NG193 が慢性一次性疼痛について述べている推奨は、回数を指定していません。指定しているのは「1コースのみ」と「専門職の時間5時間以内」で、その範囲内で回数と1回の長さは調整してよいと括弧の中に書かれています。肩こりがこの「慢性一次性疼痛」に当たるかどうかは、当サイトが判断できる事柄ではありません。
なお頸部痛のコクランレビュー(CD004870)は撤回されているため、ここから回数の目安を引くことはできません。経緯は首の痛みへの鍼|慢性頸部痛のエビデンスと受診の見極めガイドに、コクランの読み方はコクランレビューの使い方|鍼灸師が結論より先に見る3か所にまとめています。
ここで問いを組み替えます。「何回続けるか」を先に決められる材料は、当サイトが探した範囲では見つかりませんでした。あるのは「どこで見直すか」を書いた文書です。
見直す材料そのものは、この記事に出てきた研究のなかにあります。林 2016 は2週間・計4回という期間の前後で有意な低下を報告し、その先の7日・14日では差が消えました。宮﨑 2022 は「効果の持続日数」を患者本人に申告させています。どちらも研究の記述で、施術計画の指示ではありません。当サイトは頻度・回数の指導を行いません。
図解:施術回数を先に決める根拠が当サイトの検索範囲では見つからなかった一方で、回数の上限と中止についての記述は公的文書にあることを対比した図
当サイトが2026年9月8日までに確認できた文書だけを並べています。
1週あたりの頻度と効果の大きさの関連=偽鍼比 p=0.6/無治療比 p=0.3(39試験・20,827名/Vickers 2018)
94試験のレビューの結論=普遍的な最適頻度は定義できない(Li 2025)
肩こりで頻度・回数を無作為に振り分けた試験=当サイトの検索範囲では見つからなかった
CMS NCD 30.3.3(米国メディケア・慢性腰痛の給付決定)=90日で12回まで/改善を示していればさらに8回/年間20回まで/改善していない、または悪化している場合は中止する
NICE NG193(慢性一次性疼痛)=回数の指定はなく、1コースのみ・専門職の時間5時間以内(この範囲内で回数と1回の長さは調整できる)
模式図です。左カードの p 値は「関連が見いだされなかった」という意味で、関連が無いことの証明ではありません。Vickers 2018 の対象疾患に肩こり(katakori)は含まれず、Li 2025 の94試験に肩こりの試験が含まれるかは抄録から確認できません。CMS の数値は米国メディケアの慢性腰痛の給付ルールであって、肩こりの推奨ではありません。回数の根拠も臨床試験の用量探索ではなく給付の設計であり、日本の制度とも関係がありません(当サイトが確認したのは Version 1 のみで、その後の改訂の有無は確認していません)。NICE が指定しているのは回数ではなく時間の上限で、推奨の対象は慢性一次性疼痛です。肩こりがこれに当たるかどうかは、当サイトが判断できる事柄ではありません。この図は見直しの時点を提案するものではなく、「どの文書に何が書かれているか」を並べたものです。当サイトは施術の頻度・回数について指導を行いません。出所=Vickers 2018/Li 2025/CMS NCD 30.3.3 Version 1/NICE NG193。図は当サイトが原著・原文の記述から作図したものです。
エビデンスボックス⑦ 回数・時間が書かれている公的文書の原文(深く知りたい方向け・飛ばしてOK)
- Centers for Medicare & Medicaid Services. National Coverage Determination (NCD) 30.3.3, “Acupuncture for Chronic Lower Back Pain (cLBP)”. Version 1. Effective Date 2020-01-21/Implementation Date 2020-06-24。確認URL=https://www.cms.gov/medicare-coverage-database/view/ncd.aspx?ncdid=373 (2パスで取得し一致)。公的保険の給付決定であり、診療ガイドラインではありません。
- 逐語(節=Indications and Limitations of Coverage/Nationally Covered Indications)=”Up to 12 visits in 90 days are covered for Medicare beneficiaries under the following circumstance”/”An additional 8 sessions will be covered for those patients demonstrating an improvement.“/”No more than 20 acupuncture treatments may be administered annually“/”Treatment must be discontinued if the patient is not improving or is regressing.“(当サイトによる訳:90日で12回までを給付する。/改善を示している患者にはさらに8回を給付する。/年間20回を超える鍼施術は行えない。/患者が改善していない、または悪化している場合は、施術を中止しなければならない。)cLBPの定義=12週以上持続し、非特異的で、全身性の原因が同定できず、手術や妊娠に関連しないもの。
- 🛑 評釈と限界:慢性腰痛の給付ルールであって、肩こりについての推奨ではありません。「肩こりは12回まで」とは読めません。回数の根拠は用量探索の研究ではなく給付の設計(財政と管理)であり、「12回が最適」という意味でもありません。日本の制度とも無関係です。当サイトが読んだのは Version 1 のみで、その後の改訂の有無は確認していません。本記事はこの条項を、本文・トーク例・FAQ・まとめ・図解のすべてで「米国メディケアの慢性腰痛の給付ルール」と明示して扱っています。
- National Institute for Health and Care Excellence. Chronic pain (primary and secondary) in over 16s: assessment of all chronic pain and management of chronic primary pain. NICE guideline NG193. 2021.(出所=NCBI Bookshelf https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK569960/ )推奨1.2.5 の逐語(該当部分)=”Consider a single course of acupuncture or dry needling… but only if the course: is delivered in a community setting and is delivered by a band 7 (equivalent or lower) healthcare professional with appropriate training and is made up of no more than 5 hours of healthcare professional time (the number and length of sessions can be adapted within these boundaries)“(当サイトによる訳:鍼またはドライニードリングの1コースのみを考慮してよい…ただしそのコースが、地域の場で提供され、適切な訓練を受けたband 7(相当または下位)の医療専門職によって提供され、医療専門職の時間として5時間を超えないもの(この範囲内で回数と1回の長さは調整できる)である場合に限る。)当サイトが引いたのは条件部分(
but only if the course:以降)で、省略記号の部分には対象となる年齢と痛みの範囲が書かれています。 - 🛑 評釈:NICEは回数を指定していません。指定しているのは「1コースのみ」と「専門職の時間5時間以内」で、回数と長さの調整は括弧の中で明示的に許容されています。推奨1.2.5 は慢性一次性疼痛(chronic primary pain)の管理に関する推奨であり、肩こりを名指しした推奨ではありません。肩こりがこの区分に当たるかどうかは、当サイトが判断できる事柄ではありません。維持のための施術や反復コースは、この推奨に含まれていません。NG193 の推奨全体の位置づけ(何が推奨され何が推奨されなかったか)は親記事(首の痛みへの鍼)の担当です。
- Cui S, Wang X, Luo Z, et al. Acupuncture recommendations for migraine in headache treatment guidelines: a systematic review. Bull World Health Organ. 2025;103(11):685-695B.(PMID 41180283/DOI 10.2471/BLT.25.293420/PMC12578527)逐語(Abstract)=”Of the 18 guidelines recommending acupuncture, 77.8% (14/18) lacked procedural details; only 22.2% (4/18) specified treatment frequency and 16.7% (3/18) described needling techniques.“(当サイトによる訳:鍼を推奨している18のガイドラインのうち、77.8%(14/18)は施術手順の詳細を欠いており、施術頻度を明記していたのは22.2%(4/18)、刺鍼手技を記述していたのは16.7%(3/18)にとどまった。)
- 🛑 評釈:対象は片頭痛のガイドラインです。「肩こりのガイドラインが頻度を書いていない」という話にはできません。書けるのは「鍼を推奨している片頭痛のガイドラインでも、頻度の明記は4件だけだった」までです。なお本研究は、頻度を明記したガイドラインが4件は存在することも示しています。したがって「診療ガイドラインに回数は書かれていない」という一般化はできません。
- 撤回されたレビュー:Trinh K, Graham N, Irnich D, Cameron ID, Forget M. Acupuncture for neck disorders. Cochrane Database Syst Rev. 2016;(5):CD004870(2016-11-17 に撤回/PMID 27852100)。撤回されているため、当サイトはここから回数・頻度の目安を引きません。撤回の経緯は親記事が扱っています。
- 🛑 当サイトが確認できなかったもの:『慢性疼痛診療ガイドライン』2021 の「L.肩こり」章は本文を確認していません。したがって推奨度・エビデンスの強さ・回数の記載の有無を書いていません。これは「記載が無い」ではなく「当サイトが確認していない」です。また、ドイツの公的保険の回数規定については検索結果に数値が現れましたが、一次文書を取得できなかったため数値を書きません。
現実に肩こりで鍼を何回受けているのか|日本の実測は中央値1回
最後に、日本の実測です。
37施設で鍼の費用を月8,000円まで補助し、4週間観察した試験があります(Minakawa 2023)。介入群が実際に受けた回数は中央値1.0回(四分位範囲1.0〜2.0)でした。
この試験では、費用の壁を下げても、試験のプロトコルのような週1回×4回にはなっていませんでした。著者も「より効果的な介入方法・期間・頻度を検証する研究が必要だ」と書いています。
少なくともこの試験が見ている範囲では、臨床の現実は「週何回続けるか」の手前にあります。1回目のあとに2回目があるかどうか、という段階です。
「次はいつ来ればいいですか?」と聞かれたとき
「正直に言うと、肩こりの鍼で『週何回がいい』と決めた研究は、まだ見つかっていないんです。
日本の研究では、1回だけ受けた8名を7日間追いかけた報告で、持続的な影響は認められなかったと書かれています。患者さんに聞いた持続日数も平均5日。ただ、人によるばらつきがとても大きいんです。
なので今日は、次の目安だけお伝えします。そのうえで、次にどのくらいもったか教えてください。それを聞いてから、一緒に決めていきましょう。」
「何回くらい通えばいいですか?」と聞かれたとき
「回数を先にお約束できる研究のデータは、私の知る範囲ではありません。
ただ、米国の公的保険が慢性の腰痛について定めている給付のルールには、『改善していない、または悪化している場合は中止する』という条項があります(肩こりについての推奨ではなく、日本の制度とも関係のない話です)。
回数を決めるより、いつ見直すかを先に決めておくほうが、いまの研究の状況には合っていると思います。よくなっていなければ、別の道をご提案します。」
エビデンスボックス⑧ 日本の受療実態(回数・時間・本数)と「回」「本」の取り違え(深く知りたい方向け・飛ばしてOK)
- Minakawa Y, Miyazaki S, Sawazaki K, Iimura K, Waki H, Yoshida N. Managing office worker presenteeism by providing financial aid for acupuncture therapy: a pragmatic multicenter randomized comparative study. Ind Health. 2023;61(3):203-212.(PMID 35569996/DOI 10.2486/indhealth.2021-0186/PMC10277193/登録 UMIN000035321)37施設・4週間。当サイトの確認=2026年9月8日に Europe PMC の fullTextXML で全文を取得。
- 人数(Results の逐語)=”Of the 211 participants who met the eligibility criteria and provided informed consent, 103 (including six participants who could not receive the allocated intervention) and 108 were allocated to the intervention and control groups, respectively.”/”After excluding eight dropouts, 203 participants were included in the final analysis.”(当サイトによる訳:適格基準を満たし同意した211名のうち、103名(割り付けられた介入を受けられなかった6名を含む)と108名が、それぞれ介入群と対照群に割り付けられた。/脱落8名を除き、203名が最終解析に含まれた。)=抄録だけでは合わなかった人数は、全文で解けました。
- 介入=施術そのものではなく鍼の費用の補助(4週の観察期間中の費用を月8,000円まで還付)。主訴の内訳=頸部の不調64%/背部16%/抑うつ気分・不安・いらだち5%ほか。受けた回数=中央値1.0回(IQR 1.0〜2.0)。主要アウトカムの群間差は効果量 r=0.15 で、著者自身が “slightly better” と記述。
- 逐語(Discussion)=”further research is needed to validate more effective intervention methods, duration, and frequency.“(当サイトによる訳:より効果的な介入方法・期間・頻度を検証するために、さらなる研究が必要である。)
- 🛑 取り違え注意:同じ考察に “the effect of each therapy session, including acupuncture, lasted approximately three d”(1回ごとの施術の効果は約3日持続した)という記述がありますが、この段落に出典は付いておらず、本試験は効果の持続日数を測っていません(主要アウトカムは4週間の相対的プレゼンティーイズム)。したがって「この試験が効果は3日続くと示した」とは書けません。当サイトが書けるのは「著者が考察でその前提を置き、そこから反応期間は6日以内で観察期間の4分の1に満たないと述べている」までです。主訴の64%は neck disorders であって、肩こり(katakori)と同一ではありません。
- 宮﨑 2022(書誌はボックス⑥)表4「鍼療法を含む施術の内容」(N=61):施術時間=診察や検査 14.4±9.7分/治療 45.0±13.9分/その他 6.0±4.4分/合計 64.0±20.6分。身体部位別の施鍼数の合計 30.0±16.0本(後頸部 5.0±3.4/上背部 5.2±3.5/肩鎖関節部・肩甲部 3.0±2.9/頭部 2.0±3.0/下腿 3.7±3.5/腰部 1.7±2.2/首頸部・頸部 1.6±2.6 ほか)。平均刺入深度 12.2±9.8mm・最大刺入深度 22.7±13.9mm。刺鍼により誘発させた反応(複数回答)=得気 52名(85.2%)/筋単収縮 26名(42.6%)/電気鍼療法における筋収縮 11名(18.0%)。施術の構成要素=はり61名(対象者全員)/きゅう42名(68.9%)/温熱療法23名(37.7%)/あん摩マッサージ指圧20名(32.8%)。担当した「はり師」37名の臨床経験年数=17.3±12.9年。実際に支払った額の平均=5,726円。
- 🛑 用語の注意(「回」と「本」):上の「施鍼数の合計 30.0±16.0本」は刺した鍼の数です。宮﨑 2022 の決定木の分岐条件は、はりを刺した数(全身の合計)が15回よりも多かったかという形で「回」と表記されていますが、通院回数ではありません。取り違えやすいため、当サイトは本数を指すときは「本」と書いています。この分岐条件は当サイトが原典から取り直していないため、かぎ括弧付きの逐語にはせず記述として示しています。
- 表1・受療の実態:「首や肩のこりに対する対応」(複数回答)=何もしていない 37名(60.7%)/あん摩マッサージ指圧師の施術所にかかっている 6名(9.8%)/病院・診療所 3名(4.9%)/柔道整復師の施術所 2名(3.3%)/はり師・きゅう師の施術所にかかっている 0名(0.0%)。本文の記述=これまでに鍼治療を受けたことがある者は30%で、そのうち現在定期的に受けている者は0%、今後は受けたくないという者も0%。受けたことがない者は70%で、そのうち機会があれば受けてみたいは69%。
- 🛑 評釈:「鍼灸院にかかっていた人が0名」は、鍼を受けに来た人に受診直前の状態を聞いた調査であり、0%になりやすい設計です。一般人口の受療率ではありません。また決定木で挙げられた因子(治療時間・刺鍼数・刺入深度)は、満足度・信頼度・支払意思額の予測であって症状改善の予測ではありません。「長く・多く・深く刺したほうが効く」とは読めません。n=61 の探索的な解析です。この段落の数値は、頻度・回数・持続という本記事の主題から離れるため、本文には置いていません。
FAQ|肩こりへの鍼の頻度で鍼灸師によくある質問
Q. 肩こりへの鍼の頻度は、週何回がよいのでしょうか?
A. 週何回がよいかを示した一次資料は、当サイトが2026年9月8日に確認した範囲では見つかりませんでした。日本で頻度を主題にした原著は「週2回・2週で計4回」という設計ですが、これは1つの研究の設計であって推奨ではありません(8名・対照群なし)。94試験のレビューの結論も「普遍的な最適頻度は定義できない」です。
Q. 肩こりへの鍼は、何回くらいで判断すればよいですか?
A. 回数の目安を出せる材料は、当サイトが探した範囲では見つかりませんでした。言えるのは回数より「見直す時点」のほうが文書に書かれているということまでです。米国メディケアが慢性腰痛について定めた給付ルール(NCD 30.3.3)には「改善していない、または悪化している場合は中止する」という条項があります。これは肩こりの推奨ではなく、日本の制度とも関係がありません。
Q. 肩こりの鍼治療は、効果がどれくらいもつのか・頻度を落として続けたほうがよいのか、患者さんにどう答えればよいですか?
A. 持続については、日本の初診61名の調査で患者が申告した持続日数が平均5.0日・標準偏差6.2日でした。標準偏差が平均より大きいので、「5日」と言い切らず幅で伝えるのがこの数字に対して正確です。1回だけの施術を7日追跡した報告では、持続的な影響は認められていません。続けるかどうかについては、肩こりでは検証されていません。維持のための追加施術を無作為に振り分けた鍼の試験は1本だけで、対象は乳がんに関連する疲労でした(結果は「最初の施術所での一連の施術のあとに観察された以上の重要な改善をもたらさなかった」)。「続けたほうがよい」も「不要」も、肩こりについては書けません。
まとめ|肩こりへの鍼の頻度について、言えること・言えないこと
- 39試験・2万人分のデータでも、1週あたりの頻度と効果の大きさの関連は見いだされていません(偽鍼比 p=0.6/無治療比 p=0.3)。鍼の本数・置鍼時間も同じです。ただしこの解析の対象疾患に、肩こり(katakori)は含まれません
- 「6回以上」「週3回超」という数字は実在しますが、いずれも試験どうしを見比べた観察です。頻度を無作為に振り分けた鍼の試験は、腰痛と胃の症状の2本だけでした
- 日本の肩こりでは、週2回×2週で終了時に下がり、14日後にほぼ元の値だったと報告されています(8名・対照群なし)。同じ考察には「定期的な鍼治療は肩こりの軽減に寄与する可能性がある」という肯定側の記述も置かれています
- 「2〜3日おき」「週1回以上」という目安の系譜は、一次資料までたどれます。行き着くのは34名で偽鍼との差を示せなかった試験の「傾向」の記述と、8名で有意差が出なかった報告です
- 当サイトが探した範囲で回数が数字で書かれていたのは、診療ガイドラインではなく米国メディケアの慢性腰痛の給付ルールでした。そこにあったのは回数の上限と、改善がなければ中止するという条項です(肩こりの推奨ではなく、日本の制度とも関係がありません)
正直に言うと|この記事が確認できていない5つのこと
- 肩こりで頻度・回数を無作為に振り分けた試験は、当サイトの検索範囲では見つかりませんでした。「存在しない」ではありません
- 日本で頻度を主題にした2本は、いずれも8名・対照群なしで、被験者に理療科の学生や研修生を含みます
- 医中誌Web(有料)・CENTRAL・CiNii は検索していません
- 『慢性疼痛診療ガイドライン』2021 の肩こりの章は、当サイトが本文を確認できていません。「記載が無い」ではなく「確認していない」です
- ドイツの公的保険の回数規定は、一次文書を取得できなかったため数値を書いていません
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更新履歴:本記事は初版です。肩こりで頻度・回数を無作為に振り分けた試験が公表された場合、CMS NCD 30.3.3 が改訂された場合、『慢性疼痛診療ガイドライン』の肩こりの章を当サイトが確認できた場合に追記します。
引用について:本記事の引用(英文・日本語とも)は著作権法32条にもとづく引用です。英文の日本語訳はすべて当サイトによるもので、他者の公式訳は用いていません。日本語の逐語については、原文に付いている引用文献番号を落として引いています(林 2016 の考察・緒言など)。文や段落の途中から引いた箇所には省略記号を付けています。
参考文献
- White A, Cummings M, Barlas P, Cardini F, Filshie J, Foster NE, Lundeberg T, Stener-Victorin E, Witt C. Defining an adequate dose of acupuncture using a neurophysiological approach—a narrative review of the literature. Acupunct Med. 2008;26(2):111-120. PMID: 18591910. DOI: 10.1136/aim.26.2.111 ※本文は有料。抄録の逐語のみ使用
- Vickers AJ, Vertosick EA, Lewith G, MacPherson H, Foster NE, Sherman KJ, Irnich D, Witt CM, Linde K; Acupuncture Trialists’ Collaboration. Acupuncture for Chronic Pain: Update of an Individual Patient Data Meta-Analysis. J Pain. 2018;19(5):455-474. PMID: 29198932. DOI: 10.1016/j.jpain.2017.11.005 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5927830/
- Ezzo J, Berman B, Hadhazy VA, Jadad AR, Lao L, Singh BB. Is acupuncture effective for the treatment of chronic pain? A systematic review. Pain. 2000;86(3):217-225. PMID: 10812251. DOI: 10.1016/s0304-3959(99)00304-8 ※本文は有料。抄録の逐語のみ使用
- Li G, Hu X, Xing J, Wang Y, Wang C, Yu W, Lian J, Cao H. The relationship between the treatment frequency and efficacy of acupuncture: A scoping review of clinical trials. Complement Ther Med. 2025;95:103304. PMID: 41177364. DOI: 10.1016/j.ctim.2025.103304 ※本文は有料。抄録の逐語のみ使用
- Wang Y, Xiang J, Liu D, Zeng M, Shi Y, Yu S. Dose-Response Relationship Between Acupuncture Parameters and Pain Reduction in Chronic Non-Specific Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Pain Res. 2026;19:628211. PMID: 42670313. DOI: 10.2147/jpr.s628211 ※本文未読。抄録の逐語のみ使用
- Armour M, Smith CA. Treating primary dysmenorrhoea with acupuncture: a narrative review of the relationship between acupuncture ‘dose’ and menstrual pain outcomes. Acupunct Med. 2016;34(6):416-424. PMID: 27913451. DOI: 10.1136/acupmed-2016-011110 ※本文未取得。抄録(Conclusions 3文)のみ使用
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本記事は鍼灸師向けの学術情報の提供を目的としたものであり、特定の治療効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。鍼灸師は疾病の診断を行う立場にはありません。肩こりの型の判断や併存疾患の評価は医療機関の役割です。個別の患者への対応にあたっては、受診を優先すべきサインがないかを確認し、必要に応じて医療機関の受診をおすすめしてください。
【AI作成・編集責任について】本記事はAI(人工知能)が作成し、株式会社addwisteria の加藤タカシが編集責任者として内容を確認しています。引用した論文・ガイドラインの数値や推奨は改訂により変わることがあるため、実際の臨床判断では各原典の最新版をご確認ください。


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